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216話

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心の中で、心配をかけてしまったことを謝罪しながら眉を下げて私の顔を見ているレオンハルト様に

「その......嘘だと思われるかもしれませんが、自分でも足を怪我していたのは気付いていませんでしたし、今でもなぜ痛くなっているのか疑問に思っているんですの。なので、そんな申し訳なさそうな顔をしないでください」

そう言って苦笑すると、私の言葉を聞いたレオンハルト様は何かを言いたそうにはしていましたが

「セリスティア様がそういうなら.....」

と呟いて、スッと私から少し距離を取ってくれましたわ。

ふぅ....今まで少し距離が近すぎましたからね。

なんだか一気に安心したといいますか......緊張が解けましたわ。

なんて思っていると、眉間に皺を寄せて私の正面の椅子に座っている伯母様に

「そうは言っても、怪我しているのは変わらないわ。今日は安静にしていないとダメよ?」

と言われましたわね。

これには素直に

「えぇ、わかっていますわ」

と頷きましたが、お屋敷についてからどうしましょう.......。

今までも結構迷惑をかけているのに、アルトや伯母様、そして伯父様にも迷惑をかけてしまうことになりそうですわ。

なんとか自分の出来ることは自分でやって、無理そうなのはユリたちにお願いして.......。

そう思いながら、包帯で巻かれた自分の足に視線を落としましたわ。

さっきのメイドは手早く、ですが、丁寧に足を冷やして湿布を張って....と適切な処置をしてくれたおかげで、今はだいぶ足の痛みが引いたような気がします。

いや、痛みが引いたというよりは冷たいのが勝っていて気付いていないだけかもしれませんが.....。

そんなことを思いながら包帯などを片付けているメイドにお礼を言って、ふぅ.....と一息ついていると

「それにしても、本当に原因がわからないの?流石にここまで腫れるのは普通に生活していたらありえないわ」

眉間に皺を寄せた伯母様にそう聞かれましたわね。

これには、レオンハルト様もどうしても気になるみたいで伯母様の言葉に頷いていますわ。

ただ、原因、ですか.......

「え、えーっと.....そう言われましても、本当にわからなくて........」

そう言ったところで、ふとある出来事を思い出しましたわ。

足に一瞬ではありましたが、違和感を感じた昨日の........。

そう思った私は、言いかけていた言葉を途中で辞めて伯母様に

「そういえば、昨日馬車を降りた時に着地に失敗して足に少し違和感を感じたような......」

苦笑しながらそう言うと

「絶対にそれよ!」

ピシッと指をさしてハッキリとそう宣言されましたわね。

ここまでハッキリと言われると、もし違ったとしてもそうなんだ、と思ってしまいそうですわ。

ですが、本当に一瞬でしたし、昨日は何もなかったのを考えるとそれが原因だとは言えないような気もした私は

「で、ですが、昨日はほんの少し痛みを感じただけで、何もなかったんですのよ?」

と伯母様に言いましたが

「そうは言っても、それ以外に原因が思いつかないんでしょう?だったら答えは1つですわよ」

伯母様の中で原因がもう確定しているみたいで、有無言わせずにそう言われましたわ。

うーん......伯母様の言う通り足に何かがあったのはあの時だけでしたしね。

もう、そういうことにしておきましょう。

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