私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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182話

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そんなことを思っている間にもブレイドたちの入場が無事に終わって私たちの近くに来ましたわね。

やっぱり私とブレイドの関係の噂もあるので、皆私たちの方をチラチラと見ていますわ。

ただ、そんなに見られても何もやましい事はありませんし、いい加減にして欲しい、と言うのが本音ですわよね。

なんて思いながらレッドカーペットの方を向いていたんですが......いつまで待っても陛下達が会場の中に入ってきませんわね。

ジャミン様もいないみたいですし.......建国パーティーなのに遅れて来る、という訳ではありませんわよね?

思わず首を傾げてレッドカーペットの方を眺めていましたが、そんな私に気付いたレオンハルト様が

「あぁ、そういえば言っていなかったけど、陛下達はレッドカーペットを歩かないよ」

と教えてくれましたわね。

ただ、レッドカーペットの上を歩かないって......そんなことがありますのね。

あっちの国の建国パーティーでは当たり前のようにレッドカーペットを歩いて入場です。

もちろん、会場に入ってからの待機場所は違いますが、入場も貴族たちに威厳を見せつけるのに大切なことの1つと聞いたことがあるくらい大事なものだと思っていましたわ。

なので、少し意外といいますか........最初は、あまり変わらないと思っていましたが、やっぱり国によって違いがありますのね。

なんて思いながら、レオンハルト様の言葉に

「そうなんですの?」

と尋ねると

「僕らとは違う扉から入って壇に上るからね。だから公爵家の入場が終わったら正面を向いても大丈夫だよ」

そう言ったレオンハルト様は、周りの皆は既に向きを変えているんだ、と言わんばかりにアルトや他の貴族たちに視線を向けましたわ。

確かに、レッドカーペットを見ていた人たちは、今では全員正面を向いていますわね。

中には目をキラキラと輝かせている令嬢もいますわね。

年齢的に今日が初めてのパーティーなんでしょうか?

そう思いながら、周りに倣って私も正面に体を向けましたわ。

すると次の瞬間、入場の時に流れていた優雅な音楽とは一変して、急に音楽が激しくなりましたわね。

これには驚いて、体をビクッと震わせてしまいましたが、壇の上に陛下達が現れたのを見て音楽が変わった理由がわかりましたわ。

なるほど.......王族が現れる、ということで音が変わりましたのね。

確かに低音が響いた、重厚感のある音楽なので、王族、という雰囲気が伝わってきますわ。

真ん中に陛下と王妃、そして陛下の隣には多分ですが、第一王子とその婚約者様が立っていて、王妃様の隣にはジャミン様が立っている、という状況ですわね。

あら?てっきり側室様も今日は見られると思っていましたが......会場には入ってこないんでしょうか?

それとも何か理由があって参加しない、とか?

ただ、側室様の産んだ王子たちがパーティーに参加していない、というのを見ると違和感がありますわよね。

なんて思いながら、壇に立つ王族たちを眺めましたわ。
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