私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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163話

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ジャミン様の言葉に対する伯母様達の反応を見て、明日のパーティーが一気に不安になった私は、今までの考えとは一変しましたわ。

というのも、今までは何度も言っていますが、忙しいジャミン様に私たちのフォローをしてもらうのは申し訳ない、ということで、陛下の提案を断ろうと思っていましたの。

ですが、この国の令嬢が、伯母様や王妃様の顔が引きつってしまう程、気が強いのであれば話は別ですわ。

だって、そんな令嬢を1人だったらまだしも数人も同時に相手するなんて絶対に不可能です。

なので何かあったらジャミン様に助けてもらって、私たちには殿下がついているんだぞ、というアピール?をした方が今後にも絶対に良いですわ。

そう思った私は、呆れたような顔をしながら伯母様達と話をしているジャミン様に

「明日、どうにかお願いしたいですわ!」

と縋りつくような視線を送りましたわ。

きっと第三者として見ると、今までの反応と全く違うけど、なぜ?と言う感じですわよね。

私だって普段は一度決めたことを覆すようなことはしませんのよ?

ただ、今回ばかりは想像以上に面倒事になる予感がしてきたので、少しでも人手が欲しいといいますか......。

殿下という一番最強と言っていい味方がついてくれるのであれば、喜んでお願いしたい、といいますか......。

なんて思っていると、急に私が凄い勢いでお願いをしてきたので驚いていたジャミン様でしたが

「さっきまで断ろうと必死じゃなかったか?」

小さくため息をついてそう言われてしまいましたわ。

これには、ジャミン様の言う通りですし、都合のいいことを言っている、と自分でも思っているので

「そ、それは.......」

と言葉が詰まりますわね。

あ、ただ勘違いしないで欲しいんですが、ジャミン様が嫌だから断ろうとしていたわけではないですわよ?

ただただ申し訳ないので、そんなことをお願いできない、という意味でお断りしようと思っていたんです。

どっちにしろ似たような感じかもしれませんが、意外と大事なのでそこは理解してもらえると嬉しいんですが......。

そう思っていると、今まで黙って聞いていたレオンハルト様が

「まぁまぁ、そこまで令嬢が怖いって知らなかったんですよね?」

とフォローを入れてくれましたわ。

もう、本当にその通りですのよ。

なので、思わず何度も何度も頷いてしまいましたわ。

そしてついでに

「レオンハルト様が物凄く人気の人だというのは、学園に通ってなくてもわかっていますの。ただ、ジャミン様や王妃様の顔が引きつってしまう程だとは思ってもいなくて.......」

そう言って苦笑すると、ジャミン様はこのまま断ると自分が悪者になってしまう、と察したんでしょうね。

だって、現在の部屋の空気は完全にジャミン様に明日のフォローをお願いする流れになっていますもの。

少し悩んでいる様子のジャミン様でしたが、最終的に

「まぁ、元々引き受けるつもりだったし........」

と言ってくれましたし、これで安心と言って良いかは不明ですが、何もしないより何倍もいいですわよね。

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