私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

文字の大きさ
139 / 344

138話

しおりを挟む

エリザベート様から届いた手紙の内容ですが......まぁ、ハッキリと言うと想像通り他愛のない話ですわね。

最初に体調は崩していないか、殿下から大体の話は聞いている、と言うことが書いてあって、殿下の手紙には書かれていない学園での出来事や最近のお茶会で話題になっていることなどが書かれていましたわ。

どうやら学園では私が戻ってくるのか、来ないのか、ということが話題になっているみたいですわね。

最初は私がどこに行ってしまったのか、原因は何か、と騒がれていたみたいですが、数か月経ったことによって話題が変化したんだとか。

別に私のことが話題になるのは仕方のないことかもしれませんが、既に数か月経っているのに誰が話題に挙げていますの?という感じですわよね。

貴族の噂は流れるのが早いですし、すぐに他の話題に移ります。

それなのに、私の話題はいまだに、というのを考えると......もしかしたら私ってこう見えて人気者だったんでしょうかね?

なんて心の中で少し調子に乗りながら手紙を読み進めましたわ。

殿下の手紙は、基本的に事務的な事と言いますか......領地はこうなっている、これが問題だ、こんな対策をした......みたいな感じで、手紙というより連絡だったんですの。

ですが、エリザベート様の手紙は、友人に書く手紙のような......別に手紙に書く必要ないのでは?というような内容で、読んでいて楽しいんですのよね。

だからと言って、殿下にもエリザベート様のような手紙を書いて欲しい、というわけではありませんが、今まで堅苦しい手紙ばかりだったので今回の手紙は本当に嬉しいですわ。

そんなことを思いながら、ニコニコしていると

「なんだか良い事が書いてあったんですか?」

とユーリに聞かれましたわね。

まぁ、内容よりも早くエリザベート様の字が見たい、とソワソワしているのが顔に出てしまっていますけどね。

そんなユーリに

「うーん.....別に良い事、とかではないんだけど、他愛のない話、みたいな」

そう言って、うふふ、と微笑むと私の言葉に納得したみたいで

「あぁー.....メイド長達の手紙も堅苦しいですもんね」

なんて言いながら頷いていますわね。

あら、ユーリも堅苦しい手紙の内容だ、とは思っていましたのね。

とはいえ、きっとメイド長達からすると、至って普通の書き方なんでしょうけど.......。

それに、内容も真面目なものが多いので仕方がない事かもしれませんわよね。

なんて思いながら手紙を読み進めましたわ。

うーん....このまま黙って読み進めるのもユーリが暇になるでしょうし......。

そう思った私は、手持ち無沙汰状態になっているユーリに

「あっちの国では、なぜかスコーンに人気が出ているみたいですわね」

と声をかけると、話しかけられると思っていなかったんでしょう。

一瞬驚いた顔をしたユーリですが、すぐにパァっと明るい笑顔になって

「スコーンですか!?美味しいですけど、一体何があったんでしょう?」

と話に乗ってくれましたわね。

何があってスコーンに人気が出たのか.....確かに気になりますわね。

エリザベート様に聞いたらまた手紙が来るでしょうか?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

幼馴染の婚約者を馬鹿にした勘違い女の末路

今川幸乃
恋愛
ローラ・ケレットは幼馴染のクレアとパーティーに参加していた。 すると突然、厄介令嬢として名高いジュリーに絡まれ、ひたすら金持ち自慢をされる。 ローラは黙って堪えていたが、純粋なクレアはついぽろっとジュリーのドレスにケチをつけてしまう。 それを聞いたローラは顔を真っ赤にし、今度はクレアの婚約者を馬鹿にし始める。 そしてジュリー自身は貴公子と名高いアイザックという男と結ばれていると自慢を始めるが、騒ぎを聞きつけたアイザック本人が現れ…… ※短い……はず

夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた

今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。 レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。 不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。 レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。 それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し…… ※短め

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

(完)そんなに妹が大事なの?と彼に言おうとしたら・・・

青空一夏
恋愛
デートのたびに、病弱な妹を優先する彼に文句を言おうとしたけれど・・・

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

処理中です...