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130話
しおりを挟む準備をしていたメイド達の様子を見ると、どうやら役割が終了したらしく、皆達成感のある顔をしていますわね。
正直、箱を置いて、中からドレスを出しただけ、と言ってしまえばそうなんですが........私たちの知らない何かがあったんでしょうか?
伯母様の気合の入りようと言いますか........色々と指示をされていたんだろう、ということだけは想像できますわ。
そう思った私はメイド達から話を聞こうか、とも一瞬思いましたが、グッと堪えて、上機嫌にドレスを確認している伯母様に視線を移しましたわ。
あ、ちなみに箱からドレスを出したのは確かですが、まだドレスに布がかかっている状況なので、どのようなデザインなのかわかっていませんわよ。
レオンハルト様の方は大体のデザインを把握しているでしょうけど、完成品は見ていない、という状況ですわね。
なので、私もレオンハルト様も少し緊張しながら伯母様がドレスの確認をしているのを見守っている、というのが今の状況です。
そんな中、私の正面に座ってソワソワとしているレオンハルト様のことが少し気になって、簡単に教えてくれるとは思っていませんが
「どんなデザインになりましたの?」
と質問してみましたの。
だって、私だけが何も知らないんですのよ?
私が家庭教師に行っている間、バレないように話し合いなんて、寂しいじゃないですか。
なんて思いながらレオンハルト様を見ましたが、当然私の質問に答えてくれるわけがなく
「今から見れるから僕から話すのは違うでしょう」
と苦笑されてしまいましたわ。
まぁ......確かに今から見るものの説明をされても、ですわね。
ずっと気になっていたので、早く見たい、という思いが勝ってしまいましたわ
そう思いながら、ドレスの確認をしている伯母様のことをじっと見つめました。
正直、伯父様達が頼んだお店なので、確認なんてしなくても大丈夫だと私は思っていますが.....伯母様なりに何かしらのこだわりがあるんでしょうかね。
ただ、一か所一か所を確認するたびに小さく頷いている姿を見ると、きっと満足のいくドレスなんでしょうね。
そう思いながら扉の方にチラッと視線を移すと、ドレスが気になったんでしょう。
部屋の中にはユーリが、扉の近くでは伯父様とブレイドの他にも、ミリア、ディア、ネイトの3人まで大集合してドレスを待っていますわ。
これほどまでに大集合するとは私も思っていなかったので驚きましたが.....それほどいいドレスということなんでしょう。
なんて思っていると、やっとドレスの確認を終えた伯母様が
「さぁ!2人とも、見惚れる準備は出来たかしら?」
と自信満々にそう言いましたわ。
見惚れる準備、ですか。
伯母様がそう言う、ということは相当いい出来なんでしょう。
そう考えるとワクワクしてきますわ。
なんて思いながら、伯母様の質問に私もレオンハルト様もしっかりと頷きましたの。
その姿を確認した伯母様は、メイド達に合図を送って、ドレスにかかっていた布を一気に剝ぎ取りましたわ。
すると、そこにあったドレスは私が想像していたドレスとは違う、変わったデザインのドレスでしたわ。
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