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124話

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伯母様の質問に動揺している中、そんな私を伯母様は真剣な顔をして見ていますわ。

私が皆の前に出ることで色んなことを言われる、ですか........。

正直何を言われるのか想像が出来ないんですが.......私としては皆に見てもらって、噂と私は違うんだ、というのをわかってもらえたらそれでいいんですのよ。

ですが、伯母様の表情と話し方を見ると、きっと私が想像していないことまで伯母様は見据えているんでしょう。

そう思いながらも、どうしても伯母様が何を言いたいのか理解出来ず、首を傾げて考えていると私の様子に伯母様は大きくため息をつきましたわ。

きっと、私があまりにも鈍感といいますか....言っていることが理解出来ていないので、苛立ってきたんでしょう。

そう思った私は、反射的に伯母様に

「す、すみません......」

と謝罪をすると、伯母様は苦笑しながら

「いや、仕方がないわ」

と言ってくれましたが、やっぱりどこか呆れ顔といいますか......なんだか申し訳なくなってきますわね。

なんて思っていると、伯母様は、ふぅ....と深呼吸をした後に

「私が言いたいのはね、まずレオンのことを狙っていた令嬢たちのこと」

と前置きをして

「急に現れた令嬢が、マナーもそこそこ出来る。見た目も結構良い方で、親はお義姉様という皆からの人気者。元々セリスティアのことを妬んでいるような人達からすると面白くないわよね」

と一気に説明をしましたわ。

確かに、この国に来てからお母様の娘、ということだけで相当注目されていると言いますか.......とにかくお母様がどれだけ凄かったのか、身をもって体験しましたわ。

ですが、マナーが出来て顔もそこそこ良い、というのは嬉しいですが、過大評価な気がして

「そ、それは過大評価だと思いますが.....」

と苦笑すると

「いや、建国パーティーと言うことは私たちと同じくらいの....つまりお義姉様と同年代の人も沢山いるわ。そんな人たちからするとセリスティアは凄く注目されるのはわかるわよね?」

そう言った伯母様の表情はふざけている、という雰囲気は一切なくて、本気で言っていることが伝わってきましたわ。

なので、伯母様の言葉に私の真剣に頷くと

「まぁ、ここまで言うと令嬢がどうなるのかわかるわよね?」

と言われたので、静かに頷きましたわ。

きっと、伯母様が言いたいのは、レオンハルト様の婚約者というだけでも目立つのに、私のお母様の件でも目立って、それに加えてありもしない噂とは全く違う優秀な令嬢だ、と知られたら逆に面倒なことになるのでは?ということですのね。

確かに、だいぶ昔の話ですがエリザベート様が殿下と婚約したばかりの時、色々な令嬢からありもしない噂を流されてパーティーでは毎回面倒なことになっていましたわ。

ということを考えると.....建国パーティーに私は参加しない方が良い、という結論になりますわよね。

これは憶測でしかありませんが、伯母様なりにすぐ反対するのではなくしっかりと理由を話すことで、私も納得して諦めるようにしたんでしょう。


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