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117話 デールside
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教室の中にいるほぼ全員から軽蔑の視線を送られた俺は、いたたまれない気持ちになって、教室から逃げ出そうと鞄を手に取った。
すると、そんな俺の行動に気付いた子息達が口々に
「あ!おい!逃げるのか!?」
「これはどういうことだよ!」
と質問してくる声が聞こえてきた。
これはどういうことだ、って?
そんなの、言う必要もないだろ。
見たままの意味だよ、と言いたくなったが、ここで騒いだらもっとややこしいことになると思った俺は、なんとかグッと堪えて教室を出ようと扉に向かった。
だが、今日の俺は過去一で運勢が悪いのかもしれないな。
「廊下まで騒がしい声が聞こえてきたが、一体何があった?」
と、眉間に皺を寄せた殿下が教室の中を覗き込んできたではないか。
教室から出ようとしていた俺は、当然だが殿下との距離が一番近く
「で、殿下......」
と小さく呟くと、急に思考が停止してしまった。
ここで俺が何かを言わないと教室の中の誰かが勝手に話をしてしまう。
それはわかっているし、何かを話さないと、と思ってはいるがどうしても言葉が出てこない。
だからと言って何も言わずにこの場を離れることなんて出来るわけがないし、この騒ぎに俺が関わっている、ということは誰が見ても明らかだ。
何か言葉を発しなければ.......。
そう思っていると、黙り込んでいる俺の代わり、と言わんばかりに、近くにいた令嬢が
「あの!それが......」
と今起こったことをしっかりと、わかりやすく殿下に説明をしたではないか。
それもしっかりと俺が悪い、ということも付け加えて。
はぁ.......だから俺が説明をするべきだったんだ。
なのに、勝手に話をして、俺が悪いかのように仕立て上げて......。
どうせ殿下もこの話を全て信じて俺のことを責めてくるんだろう。
なんて思いながら殿下の方を見ると、令嬢の話を聞き終えた殿下は何かを少し考えた後
「なるほど......つまり皆は自分から婚約破棄だと叫んだくせに、今更セリスティア嬢に付き纏うような行動をしているデール殿に腹を立てているんだな?」
と令嬢.....いや、教室にいる人達全員に確認を取るかのように尋ねたではないか。
付き纏うって........俺は元婚約者なのに、セリスティアの情報を集めることの何が悪いんだ?
これには思わず首を傾げながら令嬢たちの方を見ると
「当然です!だって、あの場には私たちもいましたが相当腹立たしい言い方をしていましたし、どの面下げてセリスティア様の情報をかき集めているんだ、と思っていましたもの!」
その言葉に、教室にいる人達全員が何度も頷いていた。
いやいや........どの面を下げてって.......自分たちだってセリスティアの色んな噂を面白おかしく話していたじゃないか。
なぜ俺だけが色々言われないといけないんだ!
そう思いながら、殿下がどのような返事をするのか、と視線を送ると
「うーん.......まぁ、確かに俺も同じことを思っていたから皆の気持ちはよくわかるが.........」
と言った殿下はやはり俺の言っていることは理解できないみたいだ。
すると、そんな俺の行動に気付いた子息達が口々に
「あ!おい!逃げるのか!?」
「これはどういうことだよ!」
と質問してくる声が聞こえてきた。
これはどういうことだ、って?
そんなの、言う必要もないだろ。
見たままの意味だよ、と言いたくなったが、ここで騒いだらもっとややこしいことになると思った俺は、なんとかグッと堪えて教室を出ようと扉に向かった。
だが、今日の俺は過去一で運勢が悪いのかもしれないな。
「廊下まで騒がしい声が聞こえてきたが、一体何があった?」
と、眉間に皺を寄せた殿下が教室の中を覗き込んできたではないか。
教室から出ようとしていた俺は、当然だが殿下との距離が一番近く
「で、殿下......」
と小さく呟くと、急に思考が停止してしまった。
ここで俺が何かを言わないと教室の中の誰かが勝手に話をしてしまう。
それはわかっているし、何かを話さないと、と思ってはいるがどうしても言葉が出てこない。
だからと言って何も言わずにこの場を離れることなんて出来るわけがないし、この騒ぎに俺が関わっている、ということは誰が見ても明らかだ。
何か言葉を発しなければ.......。
そう思っていると、黙り込んでいる俺の代わり、と言わんばかりに、近くにいた令嬢が
「あの!それが......」
と今起こったことをしっかりと、わかりやすく殿下に説明をしたではないか。
それもしっかりと俺が悪い、ということも付け加えて。
はぁ.......だから俺が説明をするべきだったんだ。
なのに、勝手に話をして、俺が悪いかのように仕立て上げて......。
どうせ殿下もこの話を全て信じて俺のことを責めてくるんだろう。
なんて思いながら殿下の方を見ると、令嬢の話を聞き終えた殿下は何かを少し考えた後
「なるほど......つまり皆は自分から婚約破棄だと叫んだくせに、今更セリスティア嬢に付き纏うような行動をしているデール殿に腹を立てているんだな?」
と令嬢.....いや、教室にいる人達全員に確認を取るかのように尋ねたではないか。
付き纏うって........俺は元婚約者なのに、セリスティアの情報を集めることの何が悪いんだ?
これには思わず首を傾げながら令嬢たちの方を見ると
「当然です!だって、あの場には私たちもいましたが相当腹立たしい言い方をしていましたし、どの面下げてセリスティア様の情報をかき集めているんだ、と思っていましたもの!」
その言葉に、教室にいる人達全員が何度も頷いていた。
いやいや........どの面を下げてって.......自分たちだってセリスティアの色んな噂を面白おかしく話していたじゃないか。
なぜ俺だけが色々言われないといけないんだ!
そう思いながら、殿下がどのような返事をするのか、と視線を送ると
「うーん.......まぁ、確かに俺も同じことを思っていたから皆の気持ちはよくわかるが.........」
と言った殿下はやはり俺の言っていることは理解できないみたいだ。
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