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100話

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ブレイドの言葉に伯母様は眉を顰めながら

「悪い噂.......?」

とだけ呟いて私の方を見てきたので、さっきブレイドに話したことをそのまま伯母様にも伝えましたわ。

すると

「そんなの嘘に決まっているじゃない。どっち?そんな馬鹿げたことを話しているのは!」

と凄い勢いで聞いてきましたわね。

伯母様に流石、と言いたいのは

「誰!?そんなことを言っているのは!」

ではなく

「どっち!」

と聞いてきたので察しが良いなぁ、なんて思いましたわよ。

まぁ、こんな状況で呑気だな、と思われてしまうかもしれませんが。

そう思いながらも、質問に対しては

「そ、その......」

と戸惑ってしまいましたわ。

この伯母様の雰囲気......下手に名前を出してしまったらカティ様が危険のような気がしましたのよね。

ですが、このような状況になって私の聞き間違えでした、とも言えませんし........。

どうにかして、この状況を打破できる方法はないか、と悩みましたが、流石に無理のような.....。

私がそう悩んでいた時でしたわ。

「カティ様の方です!私もこの耳でしっかりと聞きましたよ!」

私の後ろに立っていたユーリが勢いよく手を上げて、伯母様にそう言いましたわ。

流石にまずい、と思いましたが、言ってしまった言葉を取り消すことなんて出来るわけもなく、ユーリの言葉を聞いた伯母様は

「そう.....姉の方ね」

と静かにニッコリと微笑みながらそう言ってきましたわ。

ただ、ここで返事をするのも.......と思った私は、ただただ

「え、えぇーっと.......」

と誤魔化していましたが、カティ様のことを言ったユーリは我慢の限界だ、と言わんばかりに

「それと、伯爵も酷いんですよ!確かに時間ギリギリで到着したのはこっちが悪いですが、ネチネチと嫌味ばかり行ってきて......それも今日だけではなく最初に会った時からずっとです!」

伯母様に向かって一気にそう言いましたわね。

まぁ、ユーリが伯爵に対して良い印象を持っていないことはわかっていましたが......まさかこのタイミングで言うとは思っていませんでしたわ。

ただ、これ以上何か言ったら伯爵家が潰れてしまうのでは?と思った私は

「ゆ、ユーリ........流石に伯爵の方は関係ない、というか.......」

と伯母様には聞こえないくらいの小さな声でなんとか宥めようとしましたが、気分が高揚してしまっているユーリには逆効果だったようで

「関係ありますよ!だって、カティ様の親なんですもの!」

普段の2倍くらいの大きな声でそう返されてしまいましたわ。

はぁ......これはまずいことになってきていますわね。

伯爵の件は特に慎重に動かないと、と思っていたのに、台無しですわ。

ただ、ユーリも我慢の限界だった、ということなので、責めることは出来ませんけどね。

私がそう思っている間にも

「他の2人はどうなの?上手くやってる?」

「はい!リーシャ様は部屋から出て来るようになりましたし、夫人はお嬢様のことを崇めているような感じになっているので大丈夫です!」

と2人はしっかりと現状の報告をしていますわ。

はぁ....こうなったら私もブレイドもどうなるかわかりませんからね。

私には、伯爵家が残っていることを祈ることしか出来ませんわ。


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