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85話
しおりを挟む公爵と夫人の機嫌の良さに少し違和感を感じましたが、とりあえずは解散ということで、レオンハルト様たちはお屋敷を後にしましたわ。
なんだか私のことを調べて来たのか、と思うほど好みがピッタリと当てはまった部分が多くて、色んな意味で凄かったですわね。
ただ、レオンハルト様と会話をして悪い人ではない、ということはわかったので安心しても良いと思いますわ。
それに、あの人たちの手が届かない場所にいる、ということも安心できる要素の1つですわよね。
今までのように、家に戻ってからも邪魔をされることはありませんし、結婚する前日くらいにこっちの国に来てもらったら、破棄される心配もありませんわよね。
なんて思っていると、レオンハルト様たちを送っていった伯父様達が戻ってきましたわ。
私が応接室の椅子に座っているのを見ると
「レオンハルト殿はどうだった?」
と聞いてきましたわ。
どうだった、ですか。
まぁ、特に悪い印象は持っていないですが、
「私が想像していた人とは違いましたわ。紙に書いてある内容では、どこか欠点があるとばかり思っていましたが、完璧すぎて私が婚約者で良いのか不安にすらなりましたわね」
と今思っていたことをそのまま伯父様に伝えると
「あー.......まぁ、確かにレオンハルト殿は優秀だからな。この年齢まで残っているのは不思議に思っても無理はない」
複雑そうな顔をしてそう言ってきましたが、なんだか違和感がありますのよね。
別に、言いずらい話でもありませんし、伯父様がそんな顔をする理由がわからないんですが......。
「どうやら、令嬢たちの方がグイグイ押してくるのは戸惑ってしまう、と言っていましたが.......」
私がそう言うと、伯父様もこの話は初めて聞いたことだったみたいで
「そうなのか?確かにパーティーでのレオンハルト殿は令嬢たちに囲まれているのを見かけていたが、まさか嫌がっていたとは........」
と驚いた顔をしていましたわ。
まぁ、レオンハルト様も誰に対しても話をするわけありませんものね。
そう考えると伯父様に話してしまったのはダメだったでしょうか?
なんて思っていると、今まで黙っていた伯母様が
「まぁ、セリスティアだったらレオンと気が合うと思うわ。話をしてみても楽しかったでしょう?」
と私に聞いてきたので
「そうですね.....ここまで会話が弾んだのは初めてだと思ったくらいには、凄く楽しめましたわ」
微笑みながらそう言うと、伯父様も伯母様も安心したように頷きましたわね。
まぁ、元々伯母様達が選んでくれた人だから、と安心はしていましたけどね。
まさか、ここまで相性的なものが合うとは思ってもいなかったので、私も驚きましたわ。
あぁ....婚約者と言ったら、あの人達はどうなっているんでしょう?
義姉の方は自分の婚約者も探さないといけないのに、いまだにゴロゴロしているんでしょうかね?
もしそうだとしたら.......我が家の領地が大丈夫なのか少し不安ですわ。
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