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71話

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それから2日後。

家庭教師の日がやってきましたわ。

本当はティファー様から話を聞いてすぐにでもリーシャ様のところに行こうか、とも思ったんですけどね。

流石に連絡も無しに急に行くのは非常識ですし、そうじゃなくても私のことを嫌っているであろう伯爵にもっと嫌われてしまいますわ。

グッと堪えて、なんとか2日もの間我慢しましたの。

あ、ちなみにこの2日間はティファー様との仲を深める期間.......と言ったら誤解されるかもしれませんが、ティファー様が異様に私のことを気に入ってくれたみたいで

「私、セリスティア様とお友達になりたいですわ!」

と言ってくれたので、ぜひお願いします、ということになりましたの。

正直、隣国にきて自分の友人が出来るとは思ってもいませんでしたし.....あ、もちろん婚約者もですわよ?

叔父様達には本当に頭が上がらないですわ。

もうどうやって恩返しをしたらいいのか、の範疇を超えて、返しきれない恩が出来てしまいましたもの。

そんなことを思いながらジュミナ伯爵家の廊下を歩いているうちに、リーシャ様の部屋に到着しましたわ。

前にカティ様がやったことのと同様に、コンコン、とノックをして

「リーシャ様、セリスティアですわ」

と声をかけると、前回と同じく中からコツン、と何かがぶつかった音が聞こえてきましたわね。

入っても良い、ということなので、これはもう遠慮なく入らせてもらいますわ。

だって、今日は大事なお話をしに来たんですもの。

「失礼しますわね」

と呟きながら部屋の中に入ると、相変わらずしっかりと掃除のされた部屋の中にさっき扉にぶつけたであろう本が一冊転がっていて、部屋の真ん中にあるベットの上では、リーシャ様は私が来るのを待っている、という状況ですわ。

なんだかよく考えてみると異様な光景ですわよね。

まぁ、私は別に良いんですが。

そう思いながら落ちていた本を拾い上げて、リーシャ様の待つベットに向かうと

「なんで来た...んですの?」

まさかのリーシャ様の方から話しかけてくれましたわ。

私の方から話しかけてー.....と思っていたので少し驚きましたわよ。

しかも丁度何を話そうか、とも悩んでいたので、本当にありがたいと言いますか......。

リーシャ様からしてみると、私の為にやったことではないんでしょうけど。

なんて思いながら、少し鋭い目を向けているリーシャ様に

「来ますわよ。だって私は家庭教師を頼まれていますし」

ニッコリと微笑みながらそう言うと、すぐに視線を逸らされてしまいましたが

「お姉様は?」

と会話を続けてくれましたわ。

これって、最初と比べたら多少は心を開いてくれている、と思って良いですわよね?

なんて心の中で歓喜しながら、でも話し方は冷静に

「カティ様には小テストを受けてもらっていますわよ」

と答えました。

まぁ、正直カティ様に関しては特に教えることもなさそうだな、というくらい今までの教育に気合を入れているのが伝わってきているので、私としてはどうするか逆に悩んでいますわ。







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