68 / 344
67話
しおりを挟む
呑気に2人のことを羨ましく思っている私を横目に、ブレイドは、というと
「一体誰がそんな噂なんて......」
何やら噂を深刻なものだと思っているのか、真剣に考えこんでいますわね。
そりゃあ、この国の貴族側からしてみると、私のことは見たことがないですし、髪の毛の色が同じだ、としても身内だとはすぐにわかりませんわよ。
だって、私もブレイドもそれぞれの母親にそっくりなんですもの。
なので、髪の毛以外似ているところが全くない、ということで余計に勘違いされても仕方がありません。
あー....ですが、クリストファー公爵家が隣国の令嬢の婚約者を探している、という話は広まっていないんでしょうか?
普通は、公爵家のような家が、他の令嬢の婚約者を探している、という話はとてつもなくおいしい話なので、すぐに食いつきそうですわよね。
私としては、そっちの方が広まりそうな噂だと思いますけど........意図的にブレイド様とティファー様を仲たがいさせようと考えている人がいるとか.....?
......まぁ、気にしても仕方ありませんわね。
だって、私がいくら考えてもわかる話ではありませんもの。
そう思った私は、真剣に悩んでいるブレイドに深く考えないように、
「でも、私が誰なのか、なんてこの国の貴族たちは知らないでしょうし、そうなっても仕方がないと思うわ」
そう言うと、何か言いたそうにはしていますが
「そうかもしれないけど......」
と言って、考えるのを止めていましたわ。
何と言いますか.....誰が噂を流したのか、なんてことを気にしていたら本当に頭が痛くなっていますからね。
私も変な噂が流れた最初は、とてつもなく悩みましたわ。
そして、もしかしたら全員が面白おかしく噂を流しているのでは?なんて疑っていました。
ですが、どうせ放っておくだけで犯人もボロが出ますし、そうなると周りが勝手に否定していってくれるので、好き勝手やらせておけばいいんですわ。
なんて思いながら、2人にニッコリと微笑んで
「とりあえず、今はティファー様の誤解が解けてよかった、と思いましょう」
と言うと、曇っていた2人の表情でしたが少しずつもとに戻っていきましたわ。
........それにしても、この2人は本当に仲が良いんですのね。
机の上に置いてある茶菓子も、それぞれが好むものを理解しているみたいで取りやすいところに自然と移動させていますし、しかも片方だけではなく2人ともそれぞれのことを考えているのでどっちかに負担が偏ってしまうようなこともありませんの。
こう.......見ていて気分が良い、と言いますか........阿吽の呼吸、とでも言うんでしょうか?
私がそんなことを思いながら眺めている間にも
「あ、ブレイド様」
というティファー様の一言だけでブレイド様は何をしたいのか理解しているみたいでスッとお砂糖の入ったケースを手渡していますわ。
.....これは感心する、というのと同時に、ティファー様はお砂糖を入れる派なんだ、と知れてちょっと親近感が湧きましたわ。
「一体誰がそんな噂なんて......」
何やら噂を深刻なものだと思っているのか、真剣に考えこんでいますわね。
そりゃあ、この国の貴族側からしてみると、私のことは見たことがないですし、髪の毛の色が同じだ、としても身内だとはすぐにわかりませんわよ。
だって、私もブレイドもそれぞれの母親にそっくりなんですもの。
なので、髪の毛以外似ているところが全くない、ということで余計に勘違いされても仕方がありません。
あー....ですが、クリストファー公爵家が隣国の令嬢の婚約者を探している、という話は広まっていないんでしょうか?
普通は、公爵家のような家が、他の令嬢の婚約者を探している、という話はとてつもなくおいしい話なので、すぐに食いつきそうですわよね。
私としては、そっちの方が広まりそうな噂だと思いますけど........意図的にブレイド様とティファー様を仲たがいさせようと考えている人がいるとか.....?
......まぁ、気にしても仕方ありませんわね。
だって、私がいくら考えてもわかる話ではありませんもの。
そう思った私は、真剣に悩んでいるブレイドに深く考えないように、
「でも、私が誰なのか、なんてこの国の貴族たちは知らないでしょうし、そうなっても仕方がないと思うわ」
そう言うと、何か言いたそうにはしていますが
「そうかもしれないけど......」
と言って、考えるのを止めていましたわ。
何と言いますか.....誰が噂を流したのか、なんてことを気にしていたら本当に頭が痛くなっていますからね。
私も変な噂が流れた最初は、とてつもなく悩みましたわ。
そして、もしかしたら全員が面白おかしく噂を流しているのでは?なんて疑っていました。
ですが、どうせ放っておくだけで犯人もボロが出ますし、そうなると周りが勝手に否定していってくれるので、好き勝手やらせておけばいいんですわ。
なんて思いながら、2人にニッコリと微笑んで
「とりあえず、今はティファー様の誤解が解けてよかった、と思いましょう」
と言うと、曇っていた2人の表情でしたが少しずつもとに戻っていきましたわ。
........それにしても、この2人は本当に仲が良いんですのね。
机の上に置いてある茶菓子も、それぞれが好むものを理解しているみたいで取りやすいところに自然と移動させていますし、しかも片方だけではなく2人ともそれぞれのことを考えているのでどっちかに負担が偏ってしまうようなこともありませんの。
こう.......見ていて気分が良い、と言いますか........阿吽の呼吸、とでも言うんでしょうか?
私がそんなことを思いながら眺めている間にも
「あ、ブレイド様」
というティファー様の一言だけでブレイド様は何をしたいのか理解しているみたいでスッとお砂糖の入ったケースを手渡していますわ。
.....これは感心する、というのと同時に、ティファー様はお砂糖を入れる派なんだ、と知れてちょっと親近感が湧きましたわ。
18
お気に入りに追加
4,199
あなたにおすすめの小説
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。気長に待っててください。月2くらいで更新したいとは思ってます。
金の亡者は出て行けって、良いですけど私の物は全部持っていきますよ?え?国の財産がなくなる?それ元々私の物なんですが。
銀杏鹿
恋愛
「出て行けスミス!お前のような金のことにしか興味のない女はもううんざりだ!」
私、エヴァ・スミスはある日突然婚約者のモーケンにそう言い渡された。
「貴女のような金の亡者はこの国の恥です!」
とかいう清廉な聖女サマが新しいお相手なら、まあ仕方ないので出ていくことにしました。
なので、私の財産を全て持っていこうと思うのです。
え?どのくらいあるかって?
──この国の全てです。この国の破綻した財政は全て私の個人資産で賄っていたので、彼らの着てる服、王宮のものも、教会のものも、所有権は私にあります。貸していただけです。
とまあ、資産を持ってさっさと国を出て海を渡ると、なんと結婚相手を探している五人の王子から求婚されてしまいました。
しきたりで、いち早く相応しい花嫁を捕まえたものが皇帝になるそうで。それで、私に。
将来のリスクと今後のキャリアを考えても、帝国の王宮は魅力的……なのですが。
どうやら五人のお相手は女性を殆ど相手したことないらしく……一体どう出てくるのか、全く予想がつきません。
私自身経験豊富というわけでもないのですが、まあ、お手並み拝見といきましょうか?
あ、なんか元いた王国は大変なことなってるらしいです、頑張って下さい。
◆◆◆◆◆◆◆◆
需要が有れば続きます。
婚約破棄された公爵令嬢は虐げられた国から出ていくことにしました~国から追い出されたのでよその国で竜騎士を目指します~
ヒンメル
ファンタジー
マグナス王国の公爵令嬢マチルダ・スチュアートは他国出身の母の容姿そっくりなためかこの国でうとまれ一人浮いた存在だった。
そんなマチルダが王家主催の夜会にて婚約者である王太子から婚約破棄を告げられ、国外退去を命じられる。
自分と同じ容姿を持つ者のいるであろう国に行けば、目立つこともなく、穏やかに暮らせるのではないかと思うのだった。
マチルダの母の祖国ドラガニアを目指す旅が今始まる――
※文章を書く練習をしています。誤字脱字や表現のおかしい所などがあったら優しく教えてやってください。
※第二章まで完結してます。現在、最終章について考え中です(第二章が考えていた話から離れてしまいました(^_^;))
書くスピードが亀より遅いので、お待たせしてすみませんm(__)m
※小説家になろう様にも投稿しています。
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
婚約破棄された貧乏令嬢ですが、意外と有能なの知っていますか?~有能なので王子に求婚されちゃうかも!?~
榎夜
恋愛
「貧乏令嬢となんて誰が結婚するんだよ!」
そう言っていましたが、隣に他の令嬢を連れている時点でおかしいですわよね?
まぁ、私は貴方が居なくなったところで困りませんが.......貴方はどうなんでしょうね?
7年ぶりに帰国した美貌の年下婚約者は年上婚約者を溺愛したい。
なーさ
恋愛
7年前に隣国との交換留学に行った6歳下の婚約者ラドルフ。その婚約者で王城で侍女をしながら領地の運営もする貧乏令嬢ジューン。
7年ぶりにラドルフが帰国するがジューンは現れない。それもそのはず2年前にラドルフとジューンは婚約破棄しているからだ。そのことを知らないラドルフはジューンの家を訪ねる。しかしジューンはいない。後日王城で会った二人だったがラドルフは再会を喜ぶもジューンは喜べない。なぜなら王妃にラドルフと話すなと言われているからだ。わざと突き放すような言い方をしてその場を去ったジューン。そしてラドルフは7年ぶりに帰った実家で婚約破棄したことを知る。
溺愛したい美貌の年下騎士と弟としか見ていない年上令嬢。二人のじれじれラブストーリー!
婚約破棄って、貴方誰ですか?
やノゆ
恋愛
ーーーその優秀さを認められ、隣国への特別留学生として名門魔法学校に出向く事になった、パール・カクルックは、学園で行われた歓迎パーティーで突然婚約破棄を言い渡される。
何故かドヤ顔のその男のとなりには、同じく勝ち誇ったような顔の少女がいて、パールは思わず口にした。
「いや、婚約破棄って、貴方誰ですか?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる