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55話

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次の日のお昼ごろ。

家庭教師があるのは基本的に3日に1回、という少ないペースなので、今日はゆっくりと出来る日ですわ。

あ、ただ、毎回カティ様とリーシャ様を一緒に教えることは出来ないので、様子を見ながら日にちをずらすことになりそうだ、と伯母様には言われていますのよね。

なので、3日に1回、ではなく3日に2回のペースで伯爵家に行かなければいけない、ということですが........そう考えるとほとんどの日が伯爵家で過ごすことになりそうですわよね。

暇になるよりは良いと思いますが、なんだか伯爵家に申し訳なくなる頻度での来客なので、週一くらいでメイド達にも何か差し入れとかを考えておいた方が良いでしょうね。

なんて思いながら、一緒にお茶を飲んでいたブレイドに

「ねぇ、ブレイド。ジュミナ伯爵家について知っていることを教えてもらうことは出来る?」

と尋ねてみましたわ。

一応予定では、明後日にジュミナ伯爵家、と言うことですが、多少の情報は持っていた方が良い、と昨日でわかりましたのよね。

特に教え子となる2人のことも大事ですが、伯爵がどのような人なのか、ついでに夫人には何か嫌な噂はあるのか、ということなんかも聞けたらいいな、と思いましたの。

当然、公爵家と伯爵家なんて、学生時代に何かしらの関りを作らないとあまり話をすることもないので、詳しく聞けるとは思っていませんわ。

多少、で良いんですのよ。

ブレイドは私の質問に

「ジュミナ伯爵家かぁ........」

と難しそうな顔をして悩んでいますわ。

それはもう、本当に難しそうな顔、と言いますか......。

無理難題でも出してしまったかしら?と思ってしまうくらいの表情ですわね。

まぁ、急に尋ねた、ということもあるので少し申し訳なさはありますけど、そこまで表情に出しますの!?と言いたくもなる顔ですわ。

なんて思いながら、ブレイドに

「やっぱり、あまり関わったことがないかしら?」

と苦笑しながら言うと

「そうだね。年齢も少し離れているから話をする機会がないんだけど......噂程度のことだったら少し知っていることがあるよ」

ブレイドはそう言って、思い出しているのか眉間に皺を寄せていますわ。

うーん....まぁ、領地と伯爵家の様子を見たときに少し思いましたが、これと言った特徴もなく、爵位も真ん中あたりなんですのよね。

なので、公爵家や王族の人達からしてみると、あまり印象に残らないような家なのかもしれません。

まぁ、そうはいっても、何か大きな功績を残している家だったら伯爵家だろうと男爵家だろうと、印象には残るので
本当に何もないんでしょう。

.....と、ここまで厳しめに伯爵家のことを推測しましたが、しっかりと領地経営をしている、というだけでも十分凄い事なんですのよ。

そう思いながら、なんとか必死に思い出しているブレイドに

「覚えていることだけでもいいの。教え子になる2人のこともだけど、伯爵のことも何か知っていたら教えてくれると嬉しいわ」

と言うと、ブレイドは一瞬私が言っていることに驚いた顔を見せましたが、すぐに

「あぁ、そういうことね」

とだけ呟いて、ニヤッと笑いましたわ。

え、えーっと......そのブレイドの笑みは何を意味しているのか全く理解が出来ませんが......嫌な笑み、という訳ではありませんわよね?

大丈夫ですわよね?
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