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42話
しおりを挟むこうして迎えた次の日。
書類の下の方に、日付と時間、そしてジュミナ伯爵家に向かうように書いてあったので来たのは良いんですが.......他国の貴族の家に出入りするのって大丈夫なんでしょうか?
昨日、ふと気になったので、伯母様に尋ねましたが、
「そんなことを言ったら、セリスティアはここに居られないわよ~」
と言うだけで、特に良いのか悪いのかも教えてくれなかったんですのよね。
まぁ......陛下達が隣国の陛下にも手紙を出していたりー、があれば全く問題はないでしょうけど。
.......いや、たかが侯爵令嬢の為にそこまではやりませんわよ。
と、とにかく、伯母様が良いと言っているんですから、信じますからね!
そんなことを思いながら、伯爵家の門へと近付きましたわ。
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ちなみに、昨日伯母様達と話をした後、廊下で待っていてくれたユリたちにも何を任されたのか、を説明しましたわ。
すると2人の反応は
「お嬢様ぁー!まさか、こんな楽しそうなことを任されるなんて.........流石ですよ!絶対について行きます!」
「お嬢様だったらマナーも勉強も完璧ですからね。確かに適任だと思います」
とのことだったんですが、ここまで聞いて察しがいい人なら、何の仕事なのかわかりますわよね?
そう、伯母様に提案されたお仕事、というのは家庭教師でしたの。
一応、子息のマナーについては完璧にわかりませんが、令嬢のマナーなら学園でも毎回トップにいるくらいの実力はありますわ。
なので、確かに適任ですわよね。
それから......実は家庭教師という職業に憧れがありましたのよね。
その...なんていいますの?
私は侯爵家を継がないといけないので、絶対に出来ない職だと思っていましたのよ。
ただ、昔家に来てくださっていた先生の1人がとても優しくて、わかりやすくて、とても尊敬していましたのよ。
なので、一度でいいので経験してみたいなぁ.....なんて思っていましたの。
まさか、こんなところで叶うなんて思ってもいませんでしたわ。
なんて思っていると、急に静かになった私を心配してくれたのか、一緒に馬車に乗っているユリが
「お嬢様?緊張しているんですか?」
ひょっこりと、私の顔を覗き込むようにして見てきましたわ。
ちなみに、服装はしっかりと公爵家のメイド服ですわよ。
ユリとミリアが2人揃って
「なめられたくないので!」
と言っていましたが.........別に教えてもらう、という立場なのに私達に失礼なことをする人、というのは少ないと思いますが......。
....と、話が逸れてしまいましたわね。
心配そうな顔をしているユリに、苦笑しながら
「まぁ.....少しね」
と呟くと、ユリはなぜか自信満々に
「大丈夫ですよ!どこからどう見ても綺麗なお嬢様ですから!」
そう言って、親指をグッと私に見せてきましたわ。
う、うーん......まぁ、今私が来ているドレスについても、ユリとミリア曰くこだわりがあるみたいですからね。
高すぎず、安っぽく見えない、そこそこの爵位の令嬢に見えるドレス、なんて難しいお願いをして急遽昨日購入してもらいましたが、伯父様もそんなお願いをj嬉々として聞き入れないで欲しいものですわよね。
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