私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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34話

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私の反応を見て、伯母様は一瞬驚いた表情をしましたが、すぐにニッコリと微笑むと

「わかったわ。じゃあ、私達がとっておきの子を選ぶわねっ」

と言って部屋を後にしましたわ。

.......てっきりもう少し部屋の中にいるものだと思っていましたが........いや、伯父様も伯母様も、急に私が来た、ということもあって忙しいんですのよね。

客人の愛て、というのはいかに大変なのか理解しているのに連絡もせずに来てしまったのは本当に反省していますわ。

仕事だって、お客様がいるときはペースが落ちますし、料理だって来客用で気を遣わないといけませんし。

少し話し相手が欲しい、なんて我儘なことを思ってしまいましたが、こんなに良くしてもらっているんです。

今は我慢、ですわ。

きっと、あと30分もすればユリたちの誰かは来ると思いますもの。

なんて思いながら、伯母様が持ってきてくれた殿下からの手紙を開きました。

相変わらず見やすさよりは、内容の方を重視する手紙の書き方ですわね。

便箋にびっちりと文字が書かれていますわ。

.......えっと.......内容は...........。

基本的にはあっちの国の現状、という感じかしら?

子爵家のことと侯爵家.....後、あの2人のこと。

他にも学園のことも書かれていますわね。

サラッと呼んだだけでも随分と濃い内容の手紙ですわ。





まず初めに、陛下が子爵に自分の領地と私の領地、2つの領地の管理を命じた、ということが書かれていますわ。

これに関しては.....陛下も随分と怒ってくれているのかしら?

普段の陛下からは考えられない命令ですわよね。

だって子爵家の領地だけでも管理が出来ていない、ということは貴族の中でも有名な話ですわ。

あの家の領主は出来損ないだ、と。

それなのに、平民に迷惑がかかるのが確定しているようなことを命じるなんて.......。

なんて思いながら手紙を読み進めていくと、陛下も考えがあっての行動だ、ということがよくわかりましたわ。

ただ、私にそれを言ってもいいのかしら?とは思いますけどね。

えーっと......それから、子爵家の現状については、今まで以上に悲惨、と。

侯爵家の領地も頑張ってはいるが、いつまでもつか、という状況らしいですわね。

......といっても、今は特別な書類もありませんし、領主が変わってまだ1ヶ月も経っていませんわよね?

それなのに、もう手一杯だ、ということは.....一体何をしていますの?

正直理解が出来ませんわね。

まぁ、それは別にいいですわ。

本当に無理だったら陛下がどうにかしてくれる、と信じるしかありませんわね。

さて、学園の方は普段通りー......と言いたいところですが、何やら元婚約者のデール様が私のことを探している、とのことですわね。

自分から私のことを振っておきながら、

「俺が婚約破棄したせいで学園に来なくなった」

と思って騒いでいる、とのことですか。

正直、デール様から婚約破棄されたことなんて、何とも思っていませんわ。

強いて言うのであれば、あれほど説明しておいたのに、いざとなったら頼りにならない人だ、とわかってよかった、くらいですかね?

カイン様曰く

「家の都合で、当分は学園に来ないぞ」

と伝えておいてくれたみたいですが......。

はぁ.......面倒ですわね。
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