私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

31話 義父side

セリスティアが居なくなって、5日ほどが経過した。

俺は、というと陛下に言われた通り子爵家の領地と侯爵家の領地の両方をなんとか管理する為に、毎日忙しい日々を送っている。

2つの領地の管理をしないと、というのもあるが、流石に自分の実家でもある侯爵領地まで危機的状況にするのは兄上に申し訳ないと思ったからな。

正直俺なんかに出来るわけがない、ということはわかっているが出来る限りの努力はしようと思っている。

ただ.......俺に何も言わずに出て行ったセリスティアに対しては多少の恨みはあるけどな！

一度はやるなら侯爵家だけはどうにかしたい、と考えたが、流石に忙しすぎて割に合わん！

戻ってきたら子爵家の領地を立て直すために力を貸してもらうことにしよう。

そんなことを思いながら、今日もセリスティアの仕事部屋で出来る限りの仕事をこなしていた。

流石に書類にサインするだけのものだったら何も問題はないが、領地内の道を釣ったり水路の改装に関しては俺には理解が出来ないな.......。

セリスティアはどう判断していたんだ？

なんでもかんでも許可を出していたわけではあるまい。

なんて思いながら、判断の出来る書類に次々とサインをしていると

「きゃははははっ！」

というけたたましい声が屋敷の中に広がった。

侯爵家の領地を管理するために、ここ最近は久しぶりに泊まらせてもらっているが、こいつらはいつになったら自分の家に帰るんだ？

それほどまでに帰りたくないのであれば、部屋をjすべて片付けてやってもいいんだぞ？

....とは流石に言えないが、あまりの声の大きさに腹立たしく感じた俺は、2人のいる客室へと向かうことにした。

仕事をしているのに、これほどまで騒がしくされたら迷惑でしかない。

はぁ......セリスティアは普段からこの状況で仕事をしていたんだったら気がおかしくなりそうだっただろうな。

そう思いながら客室の中を覗き込むと

「やだぁー！お母様ったら！」

「えぇ？本当のことじゃなぁーい？」

2人は、本当に貴族なのか？と疑いたくなるような会話をしながら、ギャーギャーと大声で会話をして、今日も部屋の中を汚して楽しんでいるみたいだ。

扉を開けたまま会話しているせいで、メイド達にもこんな下世話な話が聞かれている、とわかっているんだろうか？

それに、さっき俺の少し前にメイド長が客室を覗き込んでいたんだが、あまりにも酷い状況に顔色を悪くさせて立ち去っていた。

はぁ.....今まで野放しにしていた俺にも責任があるんだ。

どうにかしないといけないな。

そう思った俺は、2人に向かって

「うるさいぞ！時間を持て余しているんだったら子爵家の領地のことくらい、どうにかしたらどうなんだ！」

と声をかけた。

実は、2つの領地を管理する、という話をしたとき、2人は嬉しそうに

「だったら私が領地の管理をするわ！」

「良い提案ね！私もやるわ！」

と嬉しそうに言ってくれた。

それなのに、5日も経っていまだに手伝ってもらったことなんてない。

あの時は、本音ではなかったとはいえ、一度くらいは手伝ってくれても良いと思わないか？

なんて思っていると、ユーミアはヘラヘラと笑いながら聞き捨てならないことを俺に向かって言ってきた。