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15話 義父side
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「おい!セリスティアはどこだ!」
そう言って、俺は久しぶりに自分の実家でもあるリンプトン侯爵家へと訪れた。
はぁ......こいつらは、家に帰ってくるように、と何度も言っているにも関わらず、侯爵家にばかり入り浸って.....。
そもそも、なんでこんな奴と俺が結婚しなければいけなかったのか、と本気で後悔しているくらい、結婚に失敗したというのに実の娘であるアーリアは、綺麗になるどころかぶくぶくと醜く成長する一方で、可愛いなんて思うことが出来ない。
それどころか、自分の継いだ領地が危ないというのに俺に全てを任せて遊び歩いて......。
離婚しても良いと思ったが、入り婿の俺がその後どうなるのか、なんて安易に想像が出来るから多少の問題は見逃して、必死にしがみついてきたが、流石に限界だな。
そう思いながら、今日も昔と変わらず濃い化粧をして、肌が荒れているユーミアの顔を見た。
するとユーミアは
「あんな小娘のことなんて知らないわよ。どっかにいるんじゃないかしら?」
そう言って、今まで見たこともないくらいの意地の悪い顔を浮かべた。
その隣では
「また婚約破棄されたって聞いたから、部屋で泣いているんじゃなーい?」
そう言って、母親そっくりに育ってしまったアーリアが、お菓子を食べながらニヤニヤと笑っていた。
くそっ!どこに行ったんだ?
今からセリスティアを連れて王宮に来るように、と陛下から命令があった、というのに。
.....いや、それよりもなぜセリスティアと一緒に王宮に呼ばれたんだ?
もしかして、セリスティアに何かあったのか.........?
それとも、こいつらがまた何か問題を起こして......。
考えれば考えるほど嫌な予感しかしなかった。
だって、今までへいかから呼び出しなんて一度もなかったのに。
そう思いながらセリスティアの部屋へと急いだ。
急いでセリスティアの部屋に向かっている最中、
「あら?ここに来るのは珍しいですね」
と俺に声をかけてきたのは、侯爵家のメイド長だった。
そういえば、いつもならこの時間、洗濯物を抱えて廊下を走り回っているメイド達がいるはずなのに、今日は1人も会っていないな。
どうしたんだ?
もしかして休憩中とかか?
そう思いながら、久しぶりに顔を合わせたメイド長に
「あぁ.....陛下からセリスティアと一緒に王宮に来るよう命令があったんだ」
というと、一瞬驚いた顔をした後に
「そうですか」
と小さく呟いて、その場を後にしようとしていた。
......なんだ?
今の反応、何か違和感があるような気がしたんだが.....。
いや、多分気のせいか?
若干の違和感を感じながらも、とにかく今は急いで王宮に行かないと、と思い
「セリスティアは部屋か?」
とメイド長に尋ねると、メイド長はなぜか大きくため息をついて俺のことを睨みつけてきた。
........はぁ?
今まで、この家のメイド長は他のメイドよりも圧倒的に仕事が出来る奴だと思っていたが、まさか俺に対してそんなことをするとは......。
兄様が亡くなったからメイドとしての常識も忘れてしまったのか?
それとも、俺はもうこの家の奴ではないから主人でも何でもない、ということか?
い、いや、考えすぎだ。
最近、嫌なことがありすぎて変に考えているだけだ。
そう自分に言い聞かせながら、改めてメイド長に
「セリスティアはどうしたんだ?」
と尋ねた。
すると、メイド長は二度目の大きなため息をつきながら
「お嬢様はお屋敷にはいませんよ」
そう言うと、俺が何か言い返す前にその場を後にしてしまった。
.....どういうことだ?
セリスティアが屋敷の中にいない、だと?
そう言って、俺は久しぶりに自分の実家でもあるリンプトン侯爵家へと訪れた。
はぁ......こいつらは、家に帰ってくるように、と何度も言っているにも関わらず、侯爵家にばかり入り浸って.....。
そもそも、なんでこんな奴と俺が結婚しなければいけなかったのか、と本気で後悔しているくらい、結婚に失敗したというのに実の娘であるアーリアは、綺麗になるどころかぶくぶくと醜く成長する一方で、可愛いなんて思うことが出来ない。
それどころか、自分の継いだ領地が危ないというのに俺に全てを任せて遊び歩いて......。
離婚しても良いと思ったが、入り婿の俺がその後どうなるのか、なんて安易に想像が出来るから多少の問題は見逃して、必死にしがみついてきたが、流石に限界だな。
そう思いながら、今日も昔と変わらず濃い化粧をして、肌が荒れているユーミアの顔を見た。
するとユーミアは
「あんな小娘のことなんて知らないわよ。どっかにいるんじゃないかしら?」
そう言って、今まで見たこともないくらいの意地の悪い顔を浮かべた。
その隣では
「また婚約破棄されたって聞いたから、部屋で泣いているんじゃなーい?」
そう言って、母親そっくりに育ってしまったアーリアが、お菓子を食べながらニヤニヤと笑っていた。
くそっ!どこに行ったんだ?
今からセリスティアを連れて王宮に来るように、と陛下から命令があった、というのに。
.....いや、それよりもなぜセリスティアと一緒に王宮に呼ばれたんだ?
もしかして、セリスティアに何かあったのか.........?
それとも、こいつらがまた何か問題を起こして......。
考えれば考えるほど嫌な予感しかしなかった。
だって、今までへいかから呼び出しなんて一度もなかったのに。
そう思いながらセリスティアの部屋へと急いだ。
急いでセリスティアの部屋に向かっている最中、
「あら?ここに来るのは珍しいですね」
と俺に声をかけてきたのは、侯爵家のメイド長だった。
そういえば、いつもならこの時間、洗濯物を抱えて廊下を走り回っているメイド達がいるはずなのに、今日は1人も会っていないな。
どうしたんだ?
もしかして休憩中とかか?
そう思いながら、久しぶりに顔を合わせたメイド長に
「あぁ.....陛下からセリスティアと一緒に王宮に来るよう命令があったんだ」
というと、一瞬驚いた顔をした後に
「そうですか」
と小さく呟いて、その場を後にしようとしていた。
......なんだ?
今の反応、何か違和感があるような気がしたんだが.....。
いや、多分気のせいか?
若干の違和感を感じながらも、とにかく今は急いで王宮に行かないと、と思い
「セリスティアは部屋か?」
とメイド長に尋ねると、メイド長はなぜか大きくため息をついて俺のことを睨みつけてきた。
........はぁ?
今まで、この家のメイド長は他のメイドよりも圧倒的に仕事が出来る奴だと思っていたが、まさか俺に対してそんなことをするとは......。
兄様が亡くなったからメイドとしての常識も忘れてしまったのか?
それとも、俺はもうこの家の奴ではないから主人でも何でもない、ということか?
い、いや、考えすぎだ。
最近、嫌なことがありすぎて変に考えているだけだ。
そう自分に言い聞かせながら、改めてメイド長に
「セリスティアはどうしたんだ?」
と尋ねた。
すると、メイド長は二度目の大きなため息をつきながら
「お嬢様はお屋敷にはいませんよ」
そう言うと、俺が何か言い返す前にその場を後にしてしまった。
.....どういうことだ?
セリスティアが屋敷の中にいない、だと?
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