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24話 ノエルside

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やっと.....やっとだ。

ハロルドから、僕が王太子になった。

いや、別に王太子になりたかったわけじゃないよ。

ただ、王妃の息子、というだけで頭の悪いハロルドが何の苦労もせずに王太子になって我儘を言っているのが気に食わなかった。

マリアンヌと婚約者になったというのに、当たり前みたいな顔をしているのだって気に食わない。

僕の方がマリアンヌのことが好きだったのに。

あ、今はそんなことを思っていないけど。

俺の婚約者だって、マリアンヌには劣るかもしれないけど優秀で気も利いて美人だからね。

俺はハロルドと違って婚約者のこと、ちゃんと大事にしてるし。

まぁ、純粋にハロルドが気に食わなかったんだ。

今の地位に胡坐をかいてさ、まさか引きずり降ろされるだなんて考えてもいなかっただろうからね。

マリアンヌが冤罪だって噂を流したのも僕だよ。

だって、あのアリスとかいう令嬢のこと嫌いだし。

多分、あれが好きなのはバカだけだろうね。

今、僕はハロルドのところに向かっている。

もちろん話をするためにね。

コンコン、とノックをすると力ない声が聞こえてきたから遠慮なく入っていった。

だって、今は僕の方が立場が上だし遠慮はいらないからね。

「.......なんの用だ。俺を笑いに来たのか」

僕が入ってきたのに気付いたハロルドがそう言ってきたから

「んー....まぁ、半分正解かな」

と返すと

「なんだと....っ!」

あれ?なんか怒ってる?

あー、やだやだ。

これだから単細胞なバカは嫌いなんだよねぇ。

「まぁまぁ、先に僕の話を聞いてよね」

へらへら笑いながらそう言うと

「ふんっ!つまらない話だったら追い出すからな」

だってさ。

僕はわざとこういう性格を演じてるんだけど、なーんで兄弟なのに気付いてないんだろうね。

「どうだろう?人によって面白いか、とか違うからなぁ.....」

「貴様っ」

あら?喧嘩を売りすぎちゃったか?

これくらいで怒るなんてやっぱり国王の器じゃなかったんだよ。

まったく....教育係は何をしていたんだか.....。

思わずため息をつきたくなったけどグッと堪えて

「とまぁ、冗談はここまでにして。マリアンヌは隣国の王妃になるらしいよ」

早速言いたかったことを言うと

「......は?」

ハロルドは間抜けな顔をしてキョトンとしているから

「どっかのおバカさんは、まだ自分に気があると思ってたみたいだけど、婚約破棄された令嬢たちは、みーんな幸せな日々を送っているってさ」

って教えてあげた。

ほら、僕って優しいからさ。

「な.....なんだと....?」

「じゃあ、それだけだから。じゃあね、

そう言って部屋を出た。

中から何か聞こえる気がするけどしーらないっ。

自業自得だよねー。

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