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12話 モニカside
しおりを挟む『モニカ・マージュ』
今の私の名前だ。
前世の名前は高山もか。
この名前が私は大嫌いだった。
ニキビ顔で太っていいて眼鏡をかけてる、成績は良くなくて名前だけが可愛い。
そんな私が虐めの標的になるのは時間の問題だった。
中学から高校まで、毎日毎日虐められた。
靴が無くなっているなんて日常茶飯事。
掃除した後の水をかけられたり、体操着が切り刻まれたり、罰ゲームで告白されたり...思いつく限りの嫌がらせを受け続けた。
ボロボロで帰ってきても母子家庭だったからお母さんは仕事でいなくて、1人で泣きながら傷の手当と汚れた制服を洗う毎日。
何度も何度も死にたいって思った。
そんな私の唯一の心の支えが乙女ゲーム。その中でも『ヒロインになりました!』は私が1番ハマったゲームだった。
でも全クリして、裏ルートも全てクリアしたと同時に、虚無感に襲われた。
虐めは続くけどゲームは終わってしまった。もう楽しみも何も無くなってしまった。
そんなとき『ヒロインになりました!2』の制作が決定した。
すごく喜んだ。真っ黒な私の世界に一筋の光が差し込んだような...そんな感覚だった。
丁度その頃、隣のクラスの人気者が子供を助けて車に轢かれた、という噂を耳にした。
まぁ、私には関係ないし、その子と話したこともないから「あ、そうなんだ」くらいの感覚で噂を聞いてた。
正直、人を助けた結果、自分が死ぬんだったら助けない方が良いじゃんって思ってた。
『ヒロインになりました!2』をプレイしている間はどれだけつらいことがあっても耐えられた。
でもクリアし終わると、また虚無感に襲われた。
生きていく理由も無くなってしまった。楽しみも、癒しも何も無く、ただただ虐められる毎日。
そして、私は自殺した。
あぁ、私はやっと死ねた。
その事実に嬉しくなった。
でも私はまだ死んでいなかった。
目を開けると真っ暗な空間の中に真っ黒な服を着た男性の老人が現れた。
誰?と尋ねると、自分は神様だ、と言っていた。
辛い思いをしたから好きに生きろ、私が手助けしてやる。そう言われて私の掌に黒い蛇みたいなものを乗せた。
これはなに?そう尋ねると、ニヤリと笑って、後にわかる、ただその一言を教えるとどこかに消えてしまった。
その後すぐ、私の意識はなくなった。
そして目が覚めると、私は『モニカ・マージュ』として生まれ変わっていたのだ。
モニカ・マージュ
『ヒロインになりました!2』の主人公で男爵令嬢。
舞台は1の舞台となった国の隣国だった。
歓喜した。ついに、自分はヒロインになることが出来る!そう思った。
2の攻略キャラ達は
紳士な王太子
腹黒な次期宰相
気弱な公爵子息
ツンデレな伯爵子息
真面目な子爵子息
の5人だ。
これから攻略キャラ達に出会うことに心が踊った。
モニカの父親と母親の話を聞くまでは
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