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294話

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さて......前回、フェルマー様の処罰について話をした時のことからですわね。

まず、この5人の全員がフェルマー様の処刑は賛成。

なので、これは変わらないような気がします。

まぁ......少し複雑な気分ではありますが、当然ですわね。

さて、ここからが問題なんですがフェルマー様のご家族について.....ですわね。

まず夫人と長男は事件の関与はないものの、今までのフェルマー様を止めることなく黙認していた.....とのことで、ただ爵位を降格するだけがいいのでは?という意見と住処と働き口を用意して平民に降格の2択で割れましたわ。

ということで、ここからの話し合いなんですが......

「2人はフェルマーのことと関与していないんだ。爵位を2つ降格させる、という罰で良いと思う」

そう言ったのは前皇帝ですわね。

フェルマー様との関りが一番強い人なので、夫人たちに対しても思うことがあるんでしょう。

ですが、アルフレッド様は

「爵位を降格するだけだったら示しがつかないと思います!」

と前皇帝の意見と真逆ですわね。

うーん.....これは難しい問題なんですのよね。

前皇帝の言う通り、特に関わってもいないのに、他の人と変わらない罰を受けるなんておかしい話だ、とは思います。

ですが、アルフレッド様の言う通り、フェルマー様のような極悪人の行動を黙認していたのに、爵位降格だけは示しがつきませんわよね。

そう思いながらリオン様と前皇妃を見ると、2人も私と似たようなことを考えているのか、前皇帝が言葉を発してもアルフレッド様が言葉を発しても、両方にしっかりと頷いていますわ。

どちらも選べない、ということみたいですわね。

なんて思いながら、私は小さく手を上げて

「あの......だったらそれぞれの罰を与えたとして、周りの反応を想定してみたらどうでしょう?」

と提案をしてみましたわ。

というのも、これはお兄様がよくやっていることらしく

『困ったら、片方を選んでどうなるか、を想像してみろ』

と手紙に書いてありましたのよね。

これはお兄様も良いことを言った、と思っての提案なんですが......。

そう思ってアルフレッド様たちを見ると、私の言った通り想像しているのか、目を瞑って眉間に皺を寄せていますわ。

さて、と言うことで私も皆と同じく試してみましょう。

まずは....降格だけで貴族に残った場合は......フェルマー様がいなくなって家では快適に過ごすことが出来るでしょうね。

それに、次男も家には帰らないでしょうから、2人は相当気が楽になって、今まで縛り付けられていたものはなくなるでしょうね。

ただ、パーティーやお茶会などでは相当苦しい思いをすると思いますわ。

きっと、フェルマー様が処刑された後も犯罪者の家族、と言われて居心地が悪いことになるでしょうね。

えっと...次は平民の方ですが.....こちらも同様にフェルマー様と次男が居なくなって快適には暮らせるでしょうね。

ただ、最初のうちは慣れるまで相当つらい思いをすると思いますわ。

えっと、他にはー......。

なんて考えているうちに、皆考え終わったみたいで、1つの結論が出たのかなんだか自信のある顔に見えましたわ。
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