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282話

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リオン様のお父様に関しては私は本当に詳しく知らない、ということもあって、特に口出しはしませんが......戴冠式の時に見た時の印象では別に悪い人ではなさそうなんですけどね。

だったらなぜ宰相の話が進まなかったんだ、という話にもなるかもしれませんが、もし私がリオン様のお父様の立場で、全く同じことをやった、と考えたら........きっと今のリオン様ではまだ頼りにならない、と判断したのか。

それとも純粋に、リオン様ではなく兄弟の中でもっと宰相に相応しい人がいたからなのか。

とにかく、理由がないのに無意味なことはしない、と思っていますわ。

ただ、前陛下とリオン様はそこまで考える余裕がないのか、今までなぜ黙っていたんだ!ということについて怒りをぶつけあっていますけど。

まぁ.......ここでいくら話をしても仕方がありませんわよね。

だって、リオン様のお父様がいるわけではありませんし。

なんて思いながらも、この2人の会話には入れないのでリオン様と前皇帝を眺めていると、

「まぁ、叔父様にも何か考えがあったんだろう」

まさかのアルフレッド様が2人のことを宥めていますわね。

これには、私だけではなく、リオン様も前皇帝も驚いたみたいで、今までは

「はぁ......本当にあいつは何を考えているかわかったもんではない」

「私もあの人は何を考えているのかわからないわ。だって大事なことは何も話してくれないんだもの」

と2人でブツブツと言っていましたが、アルフレッド様の言葉でピタッと止まりましたわ。

それほどまでに、アルフレッド様の発言は驚く.....といいますか、意外な発言だったんですのよね。

だって、アルフレッド様が人を庇うような発言をしたんですよ?

今までだと考えられないじゃないですか。

なんて思っていると、今まで黙って話を聞いていた前皇妃は

「アルフレッドの言う通りね。もしかしたら当時のリオンには任せられない、と判断したのかもしれないし、何も辞らないのに騒ぐようなことではないわ」

と2人を諭すように声を掛けましたわね。

これには流石の2人も何も言い返せないようで

「むぅ......それはそうかもしれないが....」

「私もそう言われたら何も言い返せないわね」

と不服そうにしながらも頷いていますわ。

まぁ、私も前皇妃の言っていることは正しいと思いますし、今は他のことを優先すべき時です。

リオン様のお父様の件に関しては、全てが片付いてから、ということでいいですわよね。

そう思いながら、黙り込んでしまった皆に

「とにかく、もう夜も遅いですし、今はフェルマー様に関しての話し合いを優先させましょう?」

と声をかけると、静かに頷いてくれましたわ。

フェルマー様に関する話し合い.......ということは、家を解体するのかしないのか、に関してもですわよね?

領地に関しては宰相だということもあって、大きな領地を渡していなかったので大丈夫だ、とアルフレッド様が言っていましたわね。

どうなるのかはわかりませんが、良い結論が出ると良いな、と思っていますわ。

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