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231話

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アルフレッド様に説明を求める様に視線を送ると、私の様子を見ていたようでバッチリと目が合ってしまいましたわ。

な、なんでしょう....。

少し気恥しい、と言いますか。

なぜかアルフレッド様の目を見つめることが出来ませんわね。

そう思いながら視線を逸らしてしまいましたが、私の言いたいことは伝わってくれたみたいで、アルフレッド様がリオン様のことを簡単に説明してくれましたわ。

まず、リオン様はアルフレッド様の従兄弟に当たる人らしいんですの。

前皇妃様の兄の子供........つまり、アルフレッド様のお母様の兄の子供ということで、幼い頃はよく一緒に遊んでいた仲なんですって。

なぜ戴冠式で姿がなかったのか、については、隣国で留学をしていたリオン様は先週帰国したらしいんですのよね。

なので、リオン様を見たことがなかった、ということみたいですわ。

そこまで聞いたところで、リオン様に

「えっと........リオン様はすぐに宰相の仕事に入ることが出来ますの?」

と早速本題と言っていい質問をしてみましたわ。

もし、隣国からは一時帰国だということなら、その間は私がフォローに入ったり、と考えないといけませんもの。

それに、留学ということは、まだ学生だということなんでしょうか?

見た目はアルフレッド様よりも2つほど上のように見えるのですが........。

そう思っていると、リオン様は

「えぇ、隣国で勉強をしていただけだし、学園は卒業済みだもの」

と言って、パチッと片方の目を瞑りましたわ。

......えっと?

これは一体何を意味するんでしょうか?

目を瞑るのであれば、両目を閉じないとまばたきの意味がありませんわよ?

なんて思いながらも、学園は卒業済み、という言葉に

「え!?そうでしたの!?」

と驚いていると、アルフレッド様がリオン様の言葉に補足をするように

「リオンはこう見えて物凄く頭の回転が速いんだ。それに、勉強に関しては断トツでトップだぞ」

と教えてくれましたわ。

なんとなくですが、リオン様が隣にいるときの、アルフレッド様の表情が柔らかいような気がしますわね。

従兄弟だ、ということもあって、気を許しているんでしょうね。

リオン様もアルフレッド様の言葉に

「こう見えて、って何よ!失礼しちゃうわ!」

とは言っているものの、なんだか楽しそうですわ。

なんだか2人は兄弟みたいですわね。

アルフレッド様は1人っ子なので初めて弟のような姿を見ているような気がします。

2人のやり取りに、思わず頬を緩ませながら眺めていると、会話の中で

「そういえば、リオンはなんでそんな喋り方をしているんだ?」

と尋ねたのを聞いて驚いてしまいましたわ。

てっきり、すでにその話は終わっているものだと思っていましたが........まさか、聞いていませんでしたのね。

で、ですが、私も物凄く気になっていたので、その質問は大事ですわ。

心の中で、アルフレッド様に称賛を送りながら、リオン様の言葉をワクワクとしながら待っていると、リオン様はアルフレッド様の質問にキョトンとした顔をして固まっていますわね。
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