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179話

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アルフレッド様とユリと一緒に、サーラ様とブリンタン侯爵、それから謎の子息様の待つ応接室へと急ぎましたわ。

はぁ......ペントミン伯爵の手紙も読むことが出来ませんでしたし、内容も物凄く気になりますが、こればかりは仕方ありません。

サーラ様とブリントン侯爵には二度とこんなことをしないでくれ、と話すしかありませんわね。

流石にアルフレッド様も

「あまりにも酷いことを言うようだったらすぐに追い出す」

と言っていたので、大きな問題はないと思いますが、本当に迷惑な話ですわよね。

これでもし、私達が2人とも対応出来なかったらどうするつもりだったんでしょう?

まぁ、とりあえずアルフレッド様が珍しく頼りになることを言っていたので、とりあえず様子見、ですわね。



応接室に到着すると、すでに3人は椅子に座っていてなんだか重たい空気が流れていましたわ。

えっと.......この中で話をしますの?

私としては物凄く遠慮したいので、アルフレッド様だけ残る、ということではダメなんでしょうか?

そう思ってアルフレッド様を見ると、私と似たようなことを思っていたみたいで、一歩後ろに後退っていましたわ。

これは.....流石に出て行く、なんて言えませんわよね。

仕方なく話し合いらしき場に参加するために、椅子の方に向かうことにしましたわ。

行きたくない、と思っている場所ですからね。

気も乗りませんし、足もなかなか進みませんが、なんとか足に力を入れて前に進んでいきますわよ。

そして3人の顔がハッキリと見えた時、アルフレッド様は再び足を止めて後ろに一歩、下がりましたわ。

しかも、顔は真っ青で。

咄嗟に

「どうしましたの?」

と尋ねると、アルフレッド様は

「な、なんでこいつがここに........」

とだけ呟いて下を向いてしまいましたが、こいつ、ですか?

多分一緒についてきた子息様のことを言っているんでしょうけど、なぜそんなにも顔色を悪くさせるほどに動揺しているんでしょう?

それに、なぜか前回会った時の自信満々、という様子だったサーラ様も顔色を悪くさせて俯いていますし、ブリントン侯爵もなんだか表情が曇っていますわ。

一方、子息様は1人だけ怒っているのか、眉間にしわを寄せて何も言わずに座っていますが.......。

本当に何がありましたの?

とりあえず、席に着かないわけにもいかないのでアルフレッド様を引っ張るような形で3人の前に向かって

「お待たせしましたわ」

とだけ言って着席したんですが、アルフレッド様だけは呆然と立ち尽くしていますわね。

子息様はなんだかアルフレッド様を睨みつけていますし。

側室にしない、という話を聞いて怒っているんでしょうか?

それとも何か他に理由があるんでしょうか?

もうわからないことばかりですわ。

そう思いながらも、座らないアルフレッド様はもう放っておくとして

「連絡の1つも無しに来客だなんて、随分と常識がありませんのね」

と言って3人に微笑みましたわ。

これで謝罪がなかったら本当に舐めていますわよね。

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