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144話

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ため息をつきながらさっきまでの出来事を話すアルフレッド様は本当に疲れ切っているみたいで、目に生気を失ってしまっていますわ。

そんなアルフレッド様に

「リリアン様も本来は気が強めの人ですからね。暴言なんて今まで吐かれることがなかったので、大変でしたでしょう?」

と苦笑をすると

「まぁ、暴言くらい予想は出来ていたからどうってことない。ただ、一番厄介なのは想像通りディアナ嬢だった」

アルフレッド様はそう言って、今までの2人の時には見せなかった表情をしていますわ。

強張っている、といいますか、思い出すだけで恐怖を感じる、という感じでしょうか?

そう思いながら

「あら?3人とも同様に面倒な人達でしたが、その様子ではディアナ様が断トツでしたのね」

と私が言うと

「あぁ.......話していて気が滅入るというか........」

そう言ってため息をついた後に、話し始めました。


ーーーーーーーーーーーーー

さて、ディアナ様なんですが、部屋の外から見たときは、他の2人と違って静かだったんですって。

なので、ためらいもなくコンコン、と扉をノックしたみたいなんですが、少し待ってみても返事もなく、物音もしなかったので、アルフレッド様は諦めて部屋から出たのか?と思ったみたいですわ。

ですが、念のために

「入るぞ」

と言って部屋の中を確認しようと開けると、そこにはリリアン様同様、暴れた後の散らかった部屋が。

ただ、リリアン様は近くにあるものを放り投げたんだろう、という散らかり方でしたが、ディアナ様は部屋にあるものをナイフを使ってボロボロにしていたみたいなんですの。

なので、ディアナ様の手にはしっかりとナイフが握られて、部屋の真ん中で立ち尽くしていたみたいですわ。

想像するだけでも恐ろしいですわね。

それに、聞いた話によると、布団もカーテンまでもがボロボロだったみたいですわ。

ただ、自分で持ってきたドレスは綺麗なままだったらしいですが.......。

嫌な性格していますわよね。

異様な光景を見たアルフレッド様は、ディアナ様に

「何をしているんだ!?」

と反射的に声をかけると

「あ、殿下ぁ~。来てくれましたのね」

そう言って振り返ったディアナ様に物凄い恐怖を感じたみたいですわ。

ナイフを持ってニッコリと微笑んで振り返る........確かに誰が見ても恐怖ですわね。

そんな中、アルフレッド様は恐怖心を悟られないように、と気を付けながら

「とりあえず、そのナイフを置け。それから、ディアナ嬢が破いたものは全て家の方に請求するからな」

となるべく冷静にディアナ様に声をかけると

「えぇ~?別に皇妃になる私がやったことなんだから、良いじゃないですかぁ」

そう言ったときのディアナ様は、普段のディアナ様だとは思えない顔をしていたみたいです。

それを不審に思ったアルフレッド様は、何かおかしいと、部屋の中を見渡すと机の上にはワインのボトルが2本。

つまり、早く出ていくように、と話をした後にディアナ様はお酒を飲んでいた、ということですわね。

しかもそんな短時間で、1人で2本も空けたら酔っ払うに決まっていますわよね。

ボトルに気付いたアルフレッド様ですが、なんとか話をしようと

「何を言っているんだ?皇妃はユーフェミアだ。それは変わらない」

とディアナ様に言うと、急に顔つきが変わって

「なんで!?私のことを愛していると言っていたじゃないですか!」

そう言って、ナイフを振り回しながら暴れていたみたいですわ。

なんでしょう......さっきの2人は同じ言葉を繰り返しているので時間がかかったみたいですが、ディアナ様に関しては行動がおかしすぎて、こっちまで気が滅入りますわ。

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