皇妃になりたくてなったわけじゃないんですが

130話

私としては、ここまでメイド達の不満といいますか、批判が多い状態ではジュリアも他のメイド達も働きにくい状態になってしまいますわね。

言わない、と判断しましたが流石に黙ったままでいる方が今後に関わってくるような気もしますわ。

そう思ってメイド長に

「もし、メイド達に伝えるとしたらどこまで伝えても良いと思う？」

と聞いてみましたわ。

正直、私としては言うのなら全て話してしまわないと、また変な話が広まってしまうような、そんな気がしますわ。

まぁ......ジュリアのことを考えて、なんて思っての行動でしたが実際はそれが裏目に出てしまったのは本当に申しわけないんですが。

私の質問にメイド長は

「もし話をするのであれば、一旦嘘を付いたことを謝った後に全て話すのが一番いい解決策だと思います」

とハッキリと言ってくれました。

私と同じ考えで少しほっとしましたわ。

なんて思いながら

「そうよね......今回の件は私に責任がありますわ。なのでメイド達が何か言ったり、もう信用できないからやめる、なんてことになったら本当にごめんなさい」

そう言ってメイド長に頭を下げると、

「そんな！私達も皇妃様の提案に頷きましたし、何も皇妃様だけのせいではありません」

まさか私が頭を下げると思っていなかったんでしょう。

凄く早口で、焦った様子でそう言ってきました。

でも、本当に私のせいですわ。

私が変に考えすぎて、メイド達に大事なことを隠そうとしたから今回のことになっているんですもの。

そう思いながら

「いえ、私がメイド長達を言い包める様な言い方をしたんですもの。皆は私の指示に従っただけですわ」

と私が言うと、メイド長は驚いた顔をして

「皇妃様......」

と呟きましたわ。

本当に今回の件は私が悪いんです。

なので、メイド長やカーラ、ユリは何も悪くありませんわ。

少し目をウルウルとさせているメイド長に

「とりあえず、メイド達にはしっかりとジュリアのことを話そうと思いますわ。一回決めたことをすぐに変えるなんてどうかと思うけど、メイド達に不満を抱えさせたまま働かせるほうが申し訳ないわ」

私がそう言うと、メイド長も頷いてくれましたわ。

はぁ......本当にジュリアだけではなく、皆に嫌な思いをさせてしまいましたわね。

私もまだまだ考えが甘かったですわ。

そう思いながらメイド長に

「まぁ、ジュリアにも謝って、皆に伝えてもいいか聞いてからになるんですが.........」

と苦笑すると

「私もそれが良いと思います。もちろん、私も皇妃様と一緒に謝ります」

そう言ってくれましたわ。

本当はメイド長は何も謝る必要はないんですが、そう言ってくれるのは凄く嬉しいですわ。

なんだか1人じゃない、って思えるような、そんな気持ちになりますもの。

メイド長に

「ありがとう」

とお礼を言うと

「そうと決まったらなるべく早く動いた方が良いですね。今から皆に話に行きますか？」

私に気を使ってなのか、優しい笑みでそう聞いてきました。

今からですか。

本当はそうしたいものなんですが、

「まず先にジュリアに話をしてからだと思うの。それに今はまだベットメイキングとかで忙しいでしょ？もう少し仕事が片付いたころに言おうと思うわ」

ジュリアに謝って、皆に言うことになる、と話をするのが先です、と思ってメイド長に言うと

「わかりました。ではジュリアは今皇妃様の部屋にいるはずなので、急ぎましょう」

そう言って2人で執務室を後にしました。