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124話
しおりを挟む甘やかされて育った、ですか。
私も結構甘やかされていたと思っていますが、これは流石にやりすぎですわね。
そんな令嬢が側室になる?
側室はやっぱり皇妃と比べたら扱いは良い方ではありません。
特にアルフレッド様の反応的に、ミーフィア様との間に子供が出来なかった、と考えると、相当なものになりますわ。
他国の話ですが、子供が出来ないから、という理由で心を病んでしまった人もいるんだとか..........。
ミーフィア様はそれに耐えられるんでしょうか?
そう思いながらミーフィア様を眺めていると、無言でいるこの状況に耐えられなかったのか
「えっと.......あの、お茶を貰ってきますわね」
と言って部屋を後にしました。
確かにさっきから何も口にしていないので助かりますが.......これくらいは耐えて欲しかったんですけどね。
はぁ......やっぱりちゃんと話をしてみないとわからないことが多いですわね。
正直、この部屋を見たかぎりではミーフィア様の性格はあまりにも側室向きではありません。
ドレスが乱雑に置かれていることだって、これに関しては令嬢としてありえませんわ。
メイド達はこの状況をどう思って見ていたんでしょう?
それにこの家具......来た時はなかったはずですわよね。
きっとここに来てから送ってもらったんでしょうけど、この量.......。
自分が側室になれる、と信じて疑っていないような、そんな考えがビシビシと伝わってきて少し不愉快ですわ。
もし、自分が側室候補から落ちたらどうするのか、とか何も考えていないんでしょうか?
そんなことを思っているうちに、
「すみません......お待たせいたしました」
というミーフィア様とメイドが入ってきましたわ。
「失礼します」
と言ってお茶を置いてくれたんですが、チラチラと私の様子を窺っていますわね。
........どうしたんでしょう?
メイドの行動に、思わず首を傾げていると、それに気付いたのか少し遠慮気味に
「すみません......少しお話をしても良いですか?」
と私に声をかけてきましたわ。
お茶を持ってきてくれたのは来客中に、ジュリアがやらかしたことをつたえにきたメイドです。
多分、あの現場を見ていたからこそ、何か思うことがあるんでしょう。
そう思った私は、ミーフィア様に申し訳ないですが
「えぇ、勿論ですわ」
と席を立ちました。
もちろん、ミーフィア様の耳に入れられるような内容ではないので、一旦部屋を出て話をすることになったんですが
「あの.....今日からジュリア様も一緒に働くんですか?」
私が思っていた通り、それが気になったようでそう聞いてきましたわ。
なんだか不安そうな顔をしていますわね。
きっと何かしら問題を起こすのでは?と思っているんでしょう。
なのでメイドに、なるべく優しくニッコリと微笑んで
「やっぱり皆には私から説明した方がよかったかしら?」
と尋ねると
「いえ!そういうわけではなく......その........」
言って良いのか、という様子で黙ってしまいましたわね。
私の考えは間違っていなかった、と確信した私は
「貴方が言いたいことはわかっていますわ。でもしっかりとジュリア様と話をして、その結果がこうなりましたの」
流石に全てを説明するわけにもいかないので、そう言って苦笑すると
「そうですか........」
なんだか納得はしていないようですが頷いてくれましたわ。
うーん.....やっぱり話をするべきなんでしょうか?
でも、全員に話す必要もないんですよね。
ジュリアの家の方が問題あって、だなんてメイドが聞いてもどうにもできませんし。
まぁ......後でジュリアとメイド長と話し合ってから決めましょうか。
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