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60話

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アルフレッド様と話をしていると、扉をコンコンとノックする音が聞こえてきましたわ。

まぁ、この時間なのであの人達しかいませんわよね。

そう思いながら

「どうぞ」

とだけ言うと、急にアルフレッド様が

「おい、一応確認してからの方が良いんじゃないか?この時間だぞ?」

と心配そうに私に言ってきたので、大丈夫ですよ、とニッコリと微笑みました。

だって、こんな時間に来るのは刺客かメイドか、のどちらかしかありえませんもの。

しかも刺客だったらわざわざ扉をノックしませんしね。

.........それにしても、まさかそんなことまで心配してくれるとは思いませんでしたわ。

一応、アルフレッド様もここには私の敵が多い、ということは理解してくれているんですのね。

なんて思っていると

「お嬢様ぁ~」

という呑気な声が聞こえてきましたわ。

そして後ろの方からは

「こらっ!ユリ、静かにしなさい」

という声も。

こんな時間に来るのはやはりこの2人しかいませんわよね。

「お疲れ様、ユリ、カーラ」

そう言ってほほ笑むと、

「お嬢様!戻りました!」

「戻りましたよ」

という2人の笑顔が見えましたわ。

それを見たアルフレッド様は

「.......え?わかっていたのか?」

そう言ってキョトンとした顔をしているので

「もちろんですわ」

と返してあげました。

わかっていないのに、すんなりと入室を許可しませんよ。

ユリとカーラが戻ってきたので、早速

「それで?どうでしたの?」

と尋ねると、アルフレッド様も気になるのか椅子に座りなおして聞く体制を整えています。

まぁ、気になりますわよね。

メイドの話っていうのは簡単に聞けませんし、アルフレッド様なんて関わっている人すら一部でしょうからね。

そう思っていると、まずは先にユリが

「私は今日、ジュリア様とミーフィア様の方を担当したんですけど........」

と話し始めましたわね。

この2人は候補の中で私が気に入って入れた2人なので、特に問題もなさそうですが.........。

すると、案の定

「特に面白いこともありませんし、辛く当たってくることもないのでやりやすかったですよ」

そう言ってニコニコしています。

ユリの話によると、2人はたまに部屋から出るけど基本的に本を読んだり、お茶を飲んだり、刺繍をしたり、という以前の私の休日のような生活をしているのでやりやすかったみたいです。

流石、問題児たちとは違いますわね。

「あ、でも、私が色々やっているのを見て、最初は物凄く驚いていましたね」

そう言ってユリは笑っていますが、まぁそれが当然の反応でしょう。

2人は私の専属として紹介もしていますし、自分は関わることがないと思っていたはずですからね。

するとアルフレッド様が

「なるほど.......ユーフェミアの目に狂いはなかったということか」

となぜか頷いています。

2人は私がごり押しで入れましたものね。

まぁ、その分期待もしていますし少しでもおかしなことをすると、すぐに目につきますが。

アルフレッド様に

「私の目は普通ですわ。アルフレッド様があまりにも見る目がないだけです」

とだけ言うと、少しムッとした顔をしていますが、たまにはそんなことも言って良いですわよね。

さて、じゃあカーラは問題児側、ということですか。

どんな生活をしていたのか気になりますが、なんとなく想像も出来るような........。
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