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41話

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次の日、今日の仕事は昨日と比べたら少ない方ですわね。

そう思いながら書類を眺めていると、ふと気づいたことがありましたわ。

ちゃんと私の方まで書類を家ごとに分けてくれているわね。

昨日のあの感じだとどうなるかと思っていましたが、やればできるんじゃないですか。

なんて思いながらも、今までやったことがない作業に疲れているでしょうから甘い物でも、と考えてしまうのが私の甘さですわね。

そう考えながら廊下を歩いていると

「こうてぇ~い」

という甘ったるい声が聞こえてきましたわ。

てっきりバカ3人かと思っていましたが1人ですわね。

抜け駆けとか、そういう感じでしょうか?

真っ赤な髪の毛.....あれは伯爵家のディアナ様ですわね。

全く.......あれだけ言ったのにまだ懲りないなんて流石というか、何といいますか.......。

そう思いながら眺めていると

「お疲れ様ですぅ~。最近、相手をしてくれなくて寂しいですわぁ~」

ディアナ様はそう言って、皇帝の腕に自分の胸を精一杯押し付けていますわ。

まぁ、これも娼婦の人がやりそうな手口ですわね。

そう思いながら皇帝を見ると

「あ、あぁ....そうか.......」

あら?珍しいですわね。

今までだと鼻の下を伸ばして喜ぶような状況ですのに反応が悪いですわ。

体調でも悪いんでしょうか?

思わず首を傾げて眺めていると、皇帝の反応が気に食わなかったのかディアナ様は

「今夜とか、どうですかぁ?」

そう言って、再び胸の強調をしていますわね。

なるほど......余程側室候補から抜けたいのか、それか自分が他の人より有利になるとでも思っているのか......。

疑問ですわね。

すると皇帝は

「いや、すまないが俺にもやることがあるんだ」

そう言って、自分にしがみついているジュリア様と距離を取ろうとしているではありませんか。

その様子にディアナ様は

「えぇ~......皇帝になったら皇妃にしてくれるって言ってたのにぃ~」

今度は泣き落としでしょうか?

芸が沢山あって羨ましいですわね。

あ、今更ですが、私の位置はあの2人からは見えないような位置なのでしっかりと様子を拝見させてもらっていますわ。

というか、伯爵令嬢が皇妃になれるだなんて.......夢物語ですわね。

さて、皇帝はなんて返すんでしょう?

そう思っていると

「それはもう前の話だ。皇妃はもう決まっている」

とだけ言って、ディアナ様を置いてその場を後にしました。

とても意外ですわね。

人というのはこんなにすぐ変わるものなんでしょうか?

それとも皇帝は何かを企んでいる?

わかりませんわね。

ディアナ様は皇帝の背中に

「酷ぉ~い!」

と叫んでいますが、皇帝は振り向くことはありませんでした。

はぁ......あんなに大きな声で皇帝を誘惑するなんて、ディアナ様はやっぱり発情期なんですね。

なんて思っていると、ユリが眉をひそめながら

「お嬢様、あれは........」

と私に声をかけてきたので

「発情期の猿ですわ。放っておきましょう」

ここで私が出てもややこしくなるだけですしね。

後で皇帝にどんな心境だったのか聞いてみようかしら?
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