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22話

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とりあえず、皇帝様との話は終わったので大人しく部屋に戻ることにしました。

正直私が折れるような形になって腑に落ちませんが、大人があんなにも追い詰められている状況なので、まぁ、少しくらい頑張ってみることにしましたわ。

ただ、ユリからしたら、想像していたのとは全く違うことになってしまったのでどのような反応をするでしょうね。

そう思いながら、部屋に入ると

「おかえりなさい!どうでしたか?」

と早速ユリが聞いてきたので、さっきまで話していたことを簡単に説明すると

「引き受けてしまったんですか!?お人よしすぎますよ!」

案の定、ユリは猛反対ですわ。

いや、反対してももう決まってしまったことなので、やっぱりやめますわ、なんて言えないんですけどね。

事情を聞いた後もユリは

「最初からそう言っておけば良かったじゃないですか!ありえないです!ありえません!」

と否定しています。

そう言いたくなりますわよね。私だって言いたかったですわ。

でも皇帝様の顔を見ていたらそこまで強く言えなかったんですのよね......。

いまだに怒っているユリを

「まぁまぁ、もう決めてきちゃったわ。皇帝様には条件を付けさせてもらえたし、大丈夫よ」

と宥めていると、カーラは

「お嬢様、その皇帝陛下に出した条件というのはどのような内容なんでしょうか?」

やっぱりどのような条件か気になりますよね。

「そうね。貴方達には伝えておく必要があるわね」

そう言って、さっき皇帝様から受け取った紙を机の上に置きました。

私が出した条件は

1、アルフレッド殿下、またはこの国の貴族たちの私に対する扱いに我慢が出来なくなったら、職務を放棄して帰国することができる。(離婚も可)

まぁ、これは私がどこまで許容範囲か、というのが鍵ですわね。

一般よりも我慢強い私が耐えられない、というのは余程のことが起こらない限りありませんわ。

2、アルフレッド殿下が何かしらの不貞行為をした際、皇帝陛下の全ての実権はシャルロット嬢のものとする。

まぁ、これは仮に殿下が誰かにそそのかされて、のことを想定したものですわ。

そうでもしないと殿下さえどうにかすれば国を操れる、なんて考える人が増えますもの。

その代わり、多分私の命が狙われやすくなりますけどね。

3、アルフレッド殿下が愛人を持つことは構わないが、誕生したことをシャルロット嬢が知らない皇子は王位継承権をもたない。

これは念のため、ですわね。

別に夫婦の営みをしたいとかそういうのではなく、私がまだ皇妃だった場合、絶対そういう争いが起きますからね。

そのときの為ですわ。

最後のは、正直殿下が女遊びをしなければどうにかなるんですけどね。

今の殿下を見ているとやめられなさそうですけどね。

下の方にはしっかりと皇帝様のサインと私のサインが書いてありますわ。

確か3枚あったと思うので、1枚は殿下の元に届いているでしょうね。

さて、これを読み終わった2人の反応は、というと

「あらあら、考えましたねぇ」

と感心しているのはカーラ、

「ま、まぁ、この条件でしたらとりあえず様子を見ることができます」

なぜか物凄く上からの発言をしているのはユリですが、納得したみたいで良かったですわ。

私としては1に書いてある帰国、離婚の話を入れたのは本当に正解だと思っています。

これからどんな仕打ちをされるか、なんて想像もできませんからね。

リンとロンにも負担をかけてしまいますが、何とか頑張るしかありませんわ。
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