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13話
しおりを挟むあれから3日が経ちました。
皇帝様は、本当に何も治療をされていなかったのか、一回の催吐薬でだいぶ回復をしました。
よく1か月以上も毒を放置しておいて回復しましたよね。
正直驚きましたわ。
毒が少量だったから、かもしれませんが、とりあえず良かったですわ。
そして今日は3日ぶりに皇帝様とお会いする日です。
今は皇帝様の部屋に向かっている最中ですわ。
あ、ちなみになんですがこの3日間、一度も殿下と話をすることはありませんでした。
一応王宮に泊まらせてもらっているので、殿下を見かけることはありましたが、見かけるたびに隣に別の女性を連れていたので近付くこともありませんでしたわ。
爵位の低い一人の女性にお熱を上げていて大変だ、みたいな話は聞いたことはありますが、ここまで人数が多いのは珍しいですわ。
というか、よく女性の方も近寄りますよね。
私が見かけただけでも4人はいましたわ。
それから、皇妃様とお話しする機会があったんですが、私が到着してすぐに
「申し訳ございません」
と謝られました。
どうやら皇妃様は他国から嫁を貰うことを反対していたみたいなんです。
あ、反対した理由は派閥がどうこう、みたいなのは関係ないみたいですわ。
ただ純粋に自分の息子が愚かすぎて、こんな状況では嫁いでくる人が可哀そうだ、と思ったらしいです。
私もそう思いますわ。
もし自分の息子が殿下のようになってしまったら......と考えるだけでも頭が痛くなります。
というか、なんで皇妃様と話をしてしまったんでしょう。
出来ることなら今すぐにでも帰りたいんですが.......。
.....言えるような空気ではありませんし、ひとまずそれは置いておきましょうか。
私のせいで国同士の関係に傷がつくのも嫌ですしね。
タイミングを見て言いましょう。
とにかく皇妃様は優しくて穏やかな感じの人でしたわ。
皇帝様とはまともに話したわけではないですが、悪い人ではなさそうですし、なぜあんな息子が産まれたのか不思議で仕方ありません。
........と考えていたら皇帝様の部屋に到着しましたわ。
コンコン、とノックをすると、入るように指示されたので
「失礼いたします」
と部屋に入ると、そこには皇妃様と最初に案内してくれた男性、それから殿下も一緒でした。
「ユーフェミア嬢、色々と世話になったな」
そう言った皇帝様の顔色は3日前と比べ物にならないくらい良くなっていて、とりあえず一安心ですね。
流石にこんな短期間で痩せてしまった体は治りませんが、この様子ですとすぐに元に戻るでしょう。
そう思いながら
「国の問題に勝手に関わってしまい申し訳ございませんでした」
一応他国の人ですからね。
人によっては部外者が勝手なことをするな、と怒る人がいるかもしれないと思って言ったんですが、皇帝様は
「いや、そなたには感謝してもし足りないくらいだ」
と言ってほほ笑んでいます。
横にいる皇妃様も優しく微笑んでいますが、殿下は2人の考えとは違うみたいですわね。
気に食わなさそうにそっぽを向いていますわ。
まぁ、私にビンタされるわ、怒鳴られるわで散々な目に合っていますし仕方ありませんわね。
ですが、皆の前でそんなに睨みつけなくてもいい気はしますが......。
あ、もしかして、ディラニー公爵令嬢も殿下の囲っている女性の1人だったんでしょうか?
そうだとしても私は何も悪くないですけどね。
女性を選ぶ目がないのが悪いですわ。
そう思ってなるべく殿下の方を見ないようにしていると
「それで、ディラニー公爵家の処罰についてだが.....」
皇帝様が説明し始めました。
正直、私には関係ないので聞くだけ無駄なんですが.......。
と言いたいですが、捕まえることになったきっかけを作ったのは私なので聞きましょうか。
はぁ.....悪いと思っているなら早く家に帰してほしいですわ。
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