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2話

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そんな感じでバタバタと準備をして早1か月が経ちました。

なんで嫁に行くのにこんなに急いでいるのか、と思いましたよね。

私も同じことを思いましたわ。

まぁ、お父様曰くあちらの国も焦っているんだろう、と言っていましたね。

焦るのは自由ですが、勝手にこちらを巻き込まないでほしくて毎日ため息が止まりませんの。

あぁ、すっかり忘れていましたが一応自己紹介みたいなのが必要ですわね。

ではまず、私のフルネームは【ユーフェミア・ガルシファー】といいますの。

お母様は第一側室ですが、王妃様と他の側室の方々は仲がいいということもあって、お兄様達と私の間では別に差別はありませんでしたわ。

それどころか、他国の王族と比べ物にならないくらい皆、仲がいいと思います。

見た目はこの国の王族の特徴である赤い目に、お母様譲りの黒い髪をしています。

妹が可愛い部類に入るなら、私は美人の部類に入るんじゃないでしょうか?

私としては可愛く生まれたかったんですけどねぇ。

私のお母様が美人だから仕方ありませんわね。

まぁ、この国は顔面偏差値が高いと言われているので私くらいの見た目なんてそこら辺にいるんですけどね。

あ、それから私の好きな言葉は効率、ですわ。

効率の悪いことをしているとイラっとしますの。

そんな私のおかげで国が発展しましたが、その話はまた今度ですわね。

......と自己紹介はこれくらいでいいでしょう。

そんなことよりも準備の方が忙しいですからね。

しかも、今日が隣国に嫁ぐ日なんですの。

馬車で1週間くらい揺られて行くらしいのですが、そんなに長時間乗っていてば疲れそうですわね。

もちろん、豪勢なドレスに飾りも持っていきますわ。

それから急に、早めに来て欲しい、だなんて言われたものですから普通、連れていくメイドは2人くらいなんですが、特別に4人にしてもらいましたの。

4だなんて少し縁起の悪い気がしません?

気付くかはわかりませんが、ちょっとした嫌がらせですわ。

ということで

「ユリ、カーラ、リン、ロン、ついてきて欲しいんだけど良いかしら?」

私の部屋の掃除をしている4人に声を掛けました。

適当に選んだわけじゃありませんわよ。

最初からこの4人って決めていました。

ユリは幼い時には私の遊び相手、大きくなってからは専属メイドとしてずっと一緒にいますの。

カーラはユリの母親で、私の乳母でもありますの。

今もメイド長として活躍してくれていて、お父様に反対されましたが強制的に嫁がされるんだから、と王妃様が許してくれましたわ。

リンとロンは最近入ってきた双子の姉妹ですが、元暗部という経歴もあるのでメイド兼、護衛ですわ。

やっぱり急に隣国からくる私のことを簡単に受け入れてくれるか、と考えると難しいですからね。

用心に越したことはありませんわ。
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