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33話 ミア父親side

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はぁ......もう我が家は私の代で終わりかもしれんな。

そう思い始めたのはミアが1番贔屓にしてもらっているカノンさんの旦那との子供ができた時だった。

最初はもちろん、そんなことあってはならないことだし堕ろすという選択も考えた。

でもその当時から、ミアには結婚することが向いていないことはよくわかっていて、このままでは孫を見ることなく死んでしまう、と思ってしまったのが間違えだったんだ。

孫の見たさにミアのことを許してしまった。

だが、当時はリオルさんがミアと距離を取ればバレないと思っていたし、そう簡単に気付かれるようなこともしないだろうと深く考えなかった。

はぁ......まさかここまで頭の回らない人だったとは.........。

仕事の最中に抜け出して家に来てたと聞いた時は流石に驚いてしまった。

案の定カノンさんにバレて、我が家には慰謝料の請求が。

ミアにはこれに懲りたら同じことをするなと言っても今日もまた街に出ている。

こんなことだったら子供が出来た時点で追い出すべきだったのか......。

いや、でもそんなことをしたら今頃リリーの命はなかっただろう。

ミアの話を聞いたリリーは酷くショックを受けてしまって未だに塞ぎ込んではいるが、飛び出しても外に出ていなかったことが幸いだったな。

ミアの噂は瞬く間に広まってしまったせいで、こんな小さな店なんかすぐに評判が落ちてしまった。

今はまだ蓄えがあるが、慰謝料を払ったのもあっていつまで持つかもわからんな......。

そう考えていると

「あなた.........」

と遠慮気味に嫁が声をかけてきた。

「どうしたんだ?そんな顔を強ばらせて」

そう言いながら今まで見ていた書類から視線を上げると、手には数枚の手紙が握られていた。

嫌な予感がする.........。

「それは一体どうしたんだ?」

そう聞くと、ビクッと身体を震わせながら

「私も怖くて開いていないけど嫌な予感がして......」

そう言って手紙を差し出してきたから受け取ると

「な.........っ!」

手紙は3枚あった。

2枚はミアが勝手に借金をしているらしくその請求、1枚はカノンさんのところではなく、他のところからの慰謝料の請求だった。

「どこでこんな金を......!」

ミアはどこでこんなに金を使っているんだ!?

いや......その前に慰謝料が.........こんな金を払ったら店どころか、自分たちの生活も出来なくなってしまうじゃないか.........!

私と一緒に手紙を見た嫁は

「もうダメ......っ!あの子、私達を親だと思っていないわ!ただの金だとでも思ってるのよ......!」

そう言って崩れ落ちてしまった。

「そんなことを言っても......」

一体私はどうすればいいんだ.........。

自分たちも借金して......いや、そんなことをしたら支払いどころか生活も危うくなってしまう......!

そう思っていると

「リリーは私がしっかり育てるわ。だからあの子とは縁を切りましょう......っ!このままだと私達までどんな目にあうか.........」

嫁にそう言われた時目の前が真っ暗になった。

今まで大事に育ててきた娘を捨てる.........?

そんなことが出来るわけが.........。

いや、でも決断しなければ今以上に苦しめられるだけで.........。

一体どうすれば......っ!
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