旦那様は私に隠れて他の人と子供を育てていました

榎夜

文字の大きさ
上 下
19 / 44

18話

しおりを挟む

ババリー家から帰宅すると

「で、どうだった?」

心配だったのか、お父さんもお母さんもなんだか落ち着きがない様子で聞いてきました。

どうだった......なんて説明すればいいものか......。

そう思いながらなんとか出た答えは

「うーん......なんか凄い家族だったよ」

でした。

それから、ミアさんが言っていたありえないこと、リオルがいまだに離婚しないと騒いでいること、ババリーさんが言っていたこと、の全てを話すと

「はぁ?そんなことを言ってきたのか!?」

やっぱり驚きますよね。

私も今は落ち着いていますが、実際に聞いた時は驚きましたもの。

「録音していたのもあるけど聞く?」

と私が聞くと、お父さんもお母さんも、後から聞く、と首を横に振りました。

まぁ、聞いていて不愉快な内容ですからね。

聞かないならずっと聞かない方がいいような気もします。

あ、それから私が気づいたことも伝えておいた方が良いですよね。

そう思ったので

「あと、もしかしたらなんだけど、リオルが私の旦那だということを知らなかった可能性があるんだよね」

私がババリーさんに、旦那がお世話になっています、と言った時一瞬だけキョトンとした顔をしたんですよね。

ほんの一瞬だったので、気のせいかと思いましたが......まぁ、確信している訳じゃないので、まだなんとも言えません。

するとお父さんは

「え!?いや、我が家と取り引きしている家だったら皆知っているはずだろう?」

「私もそう思ったんだけど、なんか反応がおかしかった、というか、なんというか......」

一応リオルと結婚することになった時、取り引きをしてくれている所には全部挨拶をしたつもりですが、もしかするとババリーさんのところだけ忘れていた可能性もありますし.........。

そう思っていると

「とりあえず、カノンさんは旦那さんに離婚することと、慰謝料の請求をすることは伝えたんですよね?」

ずっと待機してくれていた弁護士さんがそう聞いてきました。

私になにかあった時のために、ババリー家に行っている間、家で待っていてくれたんです。

「あ、はい。伝えてきました」

と答えると

「でしたらこちらも話を進めていこうと思います。よろしいでしょうか?」

話を進める、ということは離婚することと、慰謝料の請求に応じない場合、裁判をすることになる。ということですよね。

「えぇ。もちろんです。よろしくお願いします」

私がそう言うと、弁護士の方は帰っていきました。

お母さんが見送りに行ったので、今はお父さんと2人で向き合って座っています。

「リオルがそんな奴だったとはな」

「私も驚いたわ。しかも浮気相手の方は子供が嫌いなんでしょうね。少し話しかけただけなのに突き飛ばしていたもの」

流石にあれには驚きましたね。

最初の発言から頭がいかれている人だとは想像していましたが.........。

「突き飛ばした!?自分の子供をか!?」

これにはお父さんも驚きですよね。

我が家ではありえないことですもの。

「1日中、ずっと1人でいるのは寂しい、って言って部屋から出てきたのにあんな仕打ちするなんて信じられなかったわ」

「すごい女に引っかかってしまったものだな」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】 僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。 ※他サイトでも投稿中

【完結】ある公爵の後悔

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
王女に嵌められて冤罪をかけられた婚約者に会うため、公爵令息のチェーザレは北の修道院に向かう。 そこで知った真実とは・・・ 主人公はクズです。

【完結】正妃に裏切られて、どんな気持ちですか?

かとるり
恋愛
両国の繁栄のために嫁ぐことになった王女スカーレット。 しかし彼女を待ち受けていたのは王太子ディランからの信じられない言葉だった。 「スカーレット、俺はシェイラを正妃にすることに決めた」

夫は平然と、不倫を公言致しました。

松茸
恋愛
最愛の人はもういない。 厳しい父の命令で、公爵令嬢の私に次の夫があてがわれた。 しかし彼は不倫を公言して……

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

【完結】旦那に愛人がいると知ってから

よどら文鳥
恋愛
 私(ジュリアーナ)は旦那のことをヒーローだと思っている。だからこそどんなに性格が変わってしまっても、いつの日か優しかった旦那に戻ることを願って今もなお愛している。  だが、私の気持ちなどお構いなく、旦那からの容赦ない暴言は絶えない。当然だが、私のことを愛してはくれていないのだろう。  それでも好きでいられる思い出があったから耐えてきた。  だが、偶然にも旦那が他の女と腕を組んでいる姿を目撃してしまった。 「……あの女、誰……!?」  この事件がきっかけで、私の大事にしていた思い出までもが崩れていく。  だが、今までの苦しい日々から解放される試練でもあった。 ※前半が暗すぎるので、明るくなってくるところまで一気に更新しました。

処理中です...