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13話
しおりを挟むリオルが職場に来て3日が経った頃、私は再びノアと話をしています。
といっても、それは私的な用事じゃなくて、調査の結果を聞くために。
義兄から、リオルが家から出ていって帰ってきていない、仲直りしたなら連絡をしてくれ、という手紙があったからです。
もちろん、仲直りはしていませんし、するつもりはありません。
リオルは我が家に来ていないし、来たとしても追い返しますからね。
だとしたら考えられるのは1箇所だけ、お相手さんの家だけですよね?
でもそれは私の想像でしかないので、一応ノアに頼んで調査してもらった、ということです。
さて、調査の結果は......
「リオルは今、相手の家にいるみたいだな」
「そっか。まぁ、そうだと思った」
やっぱりそうですよね。
リオルの手元には宿に泊まるお金なんてありませんもの。
あ、お金を渡していないわけじゃありませんよ?
ただ毎月毎月、なぜか全額使っているんですよね。
今思うとお相手さんに貢いでいた、とかそんなところでしょう。
まぁ、私には関係ありませんけどね。
そう思っていると
「とりあえず、旦那とはどうするんだ?」
ノアが心配そうな顔をして聞いてきたので
「離婚するよ。あっちにも子供がいる以上、相手ともう会わない、なんて口約束しても絶対破るから」
「そうだよな。ごめん、そんなこと聞いて...」
ノアが凄く申し訳なさそうに言ってきました。
私としては、ノアにそんな顔をして欲しい訳じゃありません。
だって、ノアは恩人ですからね。
なので、なるべく優しく微笑んで
「ううん。別に気にしてないよ」
と言うと、ノアはほっとした表情をしました。
別に離婚することについて私は何も思っていないんです。
だって、平民の間では結構いますからね。
ですが
「旦那は離婚しないって言ってるんだよな?」
「うん......義父母も離婚させたくない、って様子だった」
義兄はどっちの味方なのがわかりませんが、基本的に離婚して欲しくない、というのがあちら側の意見でした。
するとノアは
「なら弁護士を雇うことを考えた方がいい。その方が、カノンもアイツらに関わらなく済むから」
なるほど......確かにその通りですね。
しかも、ノア曰く、弁護士の知り合いがいるから紹介してくれるとも話していました。
なんか、全部ノア任せですね。
流石に申し訳なくなります......。
「ごめんね、ノア。色々頼んじゃって......」
思わずそう謝ると
「気にすんなよ。幼馴染だろ?」
ノアはただ優しく微笑んでそういった。
はぁ......なんだか情けないですね。
結局人に頼らないと何も出来ないじゃないですか...。
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