旦那様、離婚しましょう

榎夜

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マノンside 9

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「ほら!やっぱりマノンの相手はシエラさんしか居ないのよ。だから離婚なんて言わないで頂戴?」

リリーが連れていかれた後、母上が満面の笑みでそう言った。

チャンスだと思った俺は母上に便乗してシエラに

「シエラ!すまない!ほんの出来心だったんだ!元々愛しているのはシエラだけだ!」

そう言った。

謝ったし、シエラを愛していることも伝えた。

ここまでハッキリ言うとシエラも許してくれるだろう。

大丈夫だ。まだシエラは俺の事を愛している。

そう自分に言い聞かせてシエラの返事を待った。

すると俺に続いて父上も便乗してきて、

「そ、そうだ!シエラ嬢。今回のことは水に流してこれからいい関係を築いていこう!」

と唾を飛ばしながら凄い勢いで言っていた。

そうだ。俺達の夫婦生活はこれから始まるんだ。

邪魔者は居なくなったし、これで全て解決したんだ。

......そうだ、俺は悪くないんだ。リリーが...あの女が俺を誑かしてきたからこんなことになったんだ。

俺は被害者だ。

そう思っていると、シエラがニッコリと微笑んだ。

やっぱり離婚は取り消してくれるんだ、と喜んだのも束の間、シエラの言葉に俺の希望は消え去った。

「お義母様?お義父様?私は貴方達からマノン様は優秀で誠実な方だと伺っておりました。でも蓋を開けるとどうでしょう?領地のことは全くわからない。お金に無頓着。仕事はいつまで経っても手伝う程度にしか出来ない。挙句の果てには浮気ですよ?」

......え?

いや...え?は?

そんな...シエラの言い方だったら、俺は何もわからない出来損ないだと言っているみたいじゃないか。

成績は良くなかったけど母上から、領地関係のことは完璧だと言われてシエラの元に向かったのに......。


俺が呆然としている間、父上と母上はシエラからの完全な拒絶の後も、なんとか離婚させないように説得している。

なぜ、そこまで父上も母上も離婚に反対なんだ...?

それに対してシエラは、限界なんです、と言った後、久しぶりに俺の目を見て微笑んでこう言った。

「マノン様、離婚しましょう?」

そう言ったシエラの顔は今まで見た中で、1番輝いているように見えた。





それからというもの、父上に無理やり離婚届を書かされた。

でも俺は、これを書いてしまったら、俺の居場所が完全になくなる、そう思ったから必死に抵抗したけど、結局無駄だった。

横にいる母上は、今だにギャーギャー騒いで、俺を家に返さないように必死、という感じだ。

俺は両親からも公爵家からも必要とされていないかったんだ。






---------------- 8×キリトリセン ---------------- 


次で最後になります!

えっと物凄く申し訳ないですが、宣伝させてください!


『ヒロインは私です!』
『醜い私でも幸せになれますか?』

が今連載しています!

宜しければ読んで欲しいです!




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