旦那様、離婚しましょう

榎夜

文字の大きさ
上 下
9 / 19

9話

しおりを挟む

あの後、マノンは最後の最後まで離婚しない!と騒いでいたが、マージェン元伯爵が自分達が悪かったことを認めてマノンに無理やりペンを握らせていた。

あ、元伯爵からはしっかりと謝ってもらいましたが夫人は謝るどころかずっと騒いでいましたよ。


離婚届を書いてもらってからはトントン拍子に話が進んだ。

慰謝料を請求する時に事情を話すと、現伯爵当主であるマノンの兄が大激怒だったとか。

家に着いたマノン、速攻部屋に閉じ込めたとか。

話し合いの結果、マージェン夫妻とマノンのことは現当主に任せることになった。


一方、リリーは男爵家に慰謝料と弁償を請求したが払える訳もなく、母親と共に平民に落とされたらしい。

子供を産んだと同時に男爵家に取られた、って噂で聞いたがリリーが子供を育てられるわけがないし、子供のことを考えるとそれが1番だなって思った。

そういえば、なぜ男爵夫人も平民になったのか聞いてみたら、浮気するわ、金遣い荒いわ、それで今回のリリーの件があって、男爵に愛想をつかされたらしいですわ。

まぁ、離婚した後、男爵からお礼が届いたのをみると余程我慢していたんでしょうね。



私はというと、こんなことがあったせい、というか再婚に前向きではないので、そういう話はまだありませんわ。

だって、白い結婚だったとはいえ1度は結婚した人なんて誰ももらいたくないでしょう?

一応、縁談の話はきているみたいですが、時間をかけて慎重に選ぼうと思っています。

最悪養子をとって次期公爵として育てるのも有りかもしれない、と最近は考えていますわ。







✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

それから数年後

王妃様主催のパーティーに出向いていた。

ちなみに、まだ独身ですよ。

何件か縁談もありましたが、公爵の地位を目的にしているようにしか見えなくて、ずっと断り続けたんですの。

いつも通り、もう結婚して子供がいるお友達に囲まれて話をしていると、見たことがない男性が目に入った。

「ねぇねぇ、あのお方でしょう?婚約者が亡くなられてずっと婚約を断り続けているって...」

「まぁ...そんなに元婚約者のことを好いていらっしゃるのね」

「でも隣国の第3王子ですのよ。そろそろ決めなければ...という話があるみたいですわ」

ヒソヒソと夫人達はその男性を見ながら話している。

すると男性はそれに気付いたのか、夫人達に向かってニッコリと微笑むと、それを見た女性達は黄色い歓声をあげて盛り上がっていた。



そんな隣国の第3王子と私が結婚することになるのは、また次の機会で。









✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄


ここまで読んでくれてありがとうございます!

明日からはマノンside、リリーsideが始まるので楽しみにしててくれると嬉しいです!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。 無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。 彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。 ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。 居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。 こんな旦那様、いりません! 誰か、私の旦那様を貰って下さい……。

【完結】彼の瞳に映るのは  

たろ
恋愛
 今夜も彼はわたしをエスコートして夜会へと参加する。  優しく見つめる彼の瞳にはわたしが映っているのに、何故かわたしの心は何も感じない。  そしてファーストダンスを踊ると彼はそっとわたしのそばからいなくなる。  わたしはまた一人で佇む。彼は守るべき存在の元へと行ってしまう。 ★ 短編から長編へ変更しました。

誰ですか、それ?

音爽(ネソウ)
恋愛
強欲でアホな従妹の話。

父が再婚してから酷い目に遭いましたが、最終的に皆罪人にして差し上げました

四季
恋愛
母親が亡くなり、父親に新しい妻が来てからというもの、私はいじめられ続けた。 だが、ただいじめられただけで終わる私ではない……!

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方

ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。 注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

【完結】新婚生活初日から、旦那の幼馴染も同居するってどういうことですか?

よどら文鳥
恋愛
 デザイナーのシェリル=アルブライデと、婚約相手のガルカ=デーギスの結婚式が無事に終わった。  予め購入していた新居に向かうと、そこにはガルカの幼馴染レムが待っていた。 「シェリル、レムと仲良くしてやってくれ。今日からこの家に一緒に住むんだから」 「え!? どういうことです!? 使用人としてレムさんを雇うということですか?」  シェリルは何も事情を聞かされていなかった。 「いや、特にそう堅苦しく縛らなくても良いだろう。自主的な行動ができるし俺の幼馴染だし」  どちらにしても、新居に使用人を雇う予定でいた。シェリルは旦那の知り合いなら仕方ないかと諦めるしかなかった。 「……わかりました。よろしくお願いしますね、レムさん」 「はーい」  同居生活が始まって割とすぐに、ガルカとレムの関係はただの幼馴染というわけではないことに気がつく。  シェリルは離婚も視野に入れたいが、できない理由があった。  だが、周りの協力があって状況が大きく変わっていくのだった。

どうして別れるのかと聞かれても。お気の毒な旦那さま、まさかとは思いますが、あなたのようなクズが女性に愛されると信じていらっしゃるのですか?

石河 翠
恋愛
主人公のモニカは、既婚者にばかり声をかけるはしたない女性として有名だ。愛人稼業をしているだとか、天然の毒婦だとか、聞こえてくるのは下品な噂ばかり。社交界での評判も地に落ちている。 ある日モニカは、溺愛のあまり茶会や夜会に妻を一切参加させないことで有名な愛妻家の男性に声をかける。おしどり夫婦の愛の巣に押しかけたモニカは、そこで虐げられている女性を発見する。 彼女が愛妻家として評判の男性の奥方だと気がついたモニカは、彼女を毎日お茶に誘うようになり……。 八方塞がりな状況で抵抗する力を失っていた孤独なヒロインと、彼女に手を差し伸べ広い世界に連れ出したしたたかな年下ヒーローのお話。 ハッピーエンドです。 この作品は他サイトにも投稿しております。 扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID24694748)をお借りしています。

「好き」の距離

饕餮
恋愛
ずっと貴方に片思いしていた。ただ単に笑ってほしかっただけなのに……。 伯爵令嬢と公爵子息の、勘違いとすれ違い(微妙にすれ違ってない)の恋のお話。 以前、某サイトに載せていたものを大幅に改稿・加筆したお話です。

処理中です...