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9話
しおりを挟むあの後、マノンは最後の最後まで離婚しない!と騒いでいたが、マージェン元伯爵が自分達が悪かったことを認めてマノンに無理やりペンを握らせていた。
あ、元伯爵からはしっかりと謝ってもらいましたが夫人は謝るどころかずっと騒いでいましたよ。
離婚届を書いてもらってからはトントン拍子に話が進んだ。
慰謝料を請求する時に事情を話すと、現伯爵当主であるマノンの兄が大激怒だったとか。
家に着いたマノン、速攻部屋に閉じ込めたとか。
話し合いの結果、マージェン夫妻とマノンのことは現当主に任せることになった。
一方、リリーは男爵家に慰謝料と弁償を請求したが払える訳もなく、母親と共に平民に落とされたらしい。
子供を産んだと同時に男爵家に取られた、って噂で聞いたがリリーが子供を育てられるわけがないし、子供のことを考えるとそれが1番だなって思った。
そういえば、なぜ男爵夫人も平民になったのか聞いてみたら、浮気するわ、金遣い荒いわ、それで今回のリリーの件があって、男爵に愛想をつかされたらしいですわ。
まぁ、離婚した後、男爵からお礼が届いたのをみると余程我慢していたんでしょうね。
私はというと、こんなことがあったせい、というか再婚に前向きではないので、そういう話はまだありませんわ。
だって、白い結婚だったとはいえ1度は結婚した人なんて誰ももらいたくないでしょう?
一応、縁談の話はきているみたいですが、時間をかけて慎重に選ぼうと思っています。
最悪養子をとって次期公爵として育てるのも有りかもしれない、と最近は考えていますわ。
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
それから数年後
王妃様主催のパーティーに出向いていた。
ちなみに、まだ独身ですよ。
何件か縁談もありましたが、公爵の地位を目的にしているようにしか見えなくて、ずっと断り続けたんですの。
いつも通り、もう結婚して子供がいるお友達に囲まれて話をしていると、見たことがない男性が目に入った。
「ねぇねぇ、あのお方でしょう?婚約者が亡くなられてずっと婚約を断り続けているって...」
「まぁ...そんなに元婚約者のことを好いていらっしゃるのね」
「でも隣国の第3王子ですのよ。そろそろ決めなければ...という話があるみたいですわ」
ヒソヒソと夫人達はその男性を見ながら話している。
すると男性はそれに気付いたのか、夫人達に向かってニッコリと微笑むと、それを見た女性達は黄色い歓声をあげて盛り上がっていた。
そんな隣国の第3王子と私が結婚することになるのは、また次の機会で。
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
ここまで読んでくれてありがとうございます!
明日からはマノンside、リリーsideが始まるので楽しみにしててくれると嬉しいです!
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