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メイリスの恋
5話
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王都の中で1番大きい教会へと向かった。
祈りが終わったらギルドに行って、ワールと話をしよう。
だから今は祈りに集中しよう。
教会に到着すると、すぐに祈りの間に案内された。
私が各国で祈りを捧げると決まったと同時に教会を大きくして、新しく祈りの間を作ったんだとか...
そこまでしてもらうなんて、なんだか申し訳ない気持ちになってしまう。
私が祈り始めると
『久しいな』
と神様から声がかかった。
祈ることは欠かさずやっているけど、話しかけてくれるのは珍しいから少し驚いてしまった。
「お久しぶりです。忙しかったんですか?」
『あぁ、魔族のことと力を貸したことで少しな。そういうシエラも随分と忙しかったみたいだな』
「そうですね。後処理とか、ハルエット国に来る前の公務とか......」
『そんな中でもちゃんと祈りを捧げてくれたからな。作物の出来が過去一だ、と国の者が喜んでおった』
「まぁ!神様はこちらの世界が見えるのですね」
『見えるが、そんなに頻繁には見ないぞ?』
え?ただ雑談してるだけじゃんって?
そうなんですよ!私も同じことを思いましたわ!
祈りとか言うから、もっと魔力が吸い取られるのかなぁ...とか、ずっと正座して足が痺れたり...とか考えていたんですが...。
2週間前くらいに神様に聞いてみたら、魂が神様に会っていて、他の人には正座して祈っているように見えているんだとか。
しかも、ここからが驚きなんですが、祈り始めて1週間くらい経った頃から、魔物が簡単に倒せる!とか作物が育つの早くなった!とか色々声が上がっているみたいなんです。
雨が必要なところには雨が降って...とか天候も影響しているみたいなんですよ。
祈りってこんなに凄いんですね。
こんな感じで、祈りという名の神様との雑談が終わってから、急いでギルドに向かった。
メイリスはお父様とお母様に頼んで、買い物に連れて行ってもらったから、今は1人だ。
ギルドに到着すると、外に【シエラさん、メイリスさん、おかえりなさい!】と書かれた横断幕がかかっていて驚いた。
後でメイリスと2人で来よう、と心の中で決めてギルドの中に入ると、サーヤが1番最初に気付いて
「シエラさん!」
と声をかけてきた。
「久しぶりです、サーヤさん。横断幕凄いですね、ありがとうごさいます」
そう言って微笑むと、皆が手伝ってくれました!と嬉しそうに教えてくれた。
「あ、メイリスにギルドに行くことを伝えてないから、明日また来ても良いですか?今日来たことは内緒にしてほしいんです」
「了解です!」
そう言った後、ギルドの中を見渡すと、皆が頷いてくれた。
「それで...ワールさんは居ますか?」
さっき見ただけだと、ワールの姿は見当たらなかった。
「あ、さっきギルドをでちゃったんですよぉ...シエラさんが来たって伝えておきますか?」
「いや、居ないなら大丈夫です。近くを探してみて見つからなかったら諦めますわ。それと、明日顔を出します、とガルさんに伝言を頼んでもいいですか?」
私がそう言うとサーヤが了解です!と敬礼ポーズみたいなことをしていた。
私は、サーヤにお礼を言ってからギルドを出て、ワールを探すことにした。
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