44 / 50
メイリスの恋
2話
しおりを挟むいや、告白だろうなぁって思ったけどさ、まさかこんな人が沢山居る中でするとは思わないじゃん?
ほら、周りがザワザワしちゃってるし...。
当の本人のメイリスは今まで見た事がないくらい、目をいっぱいに見開いていた。
そして何を言われたか理解したのか顔を真っ赤にさせた。
お父様もお母様も初めて見るメイリスの表情に嬉しそうに微笑んでいた。
さて、メイリスはなんて返事をするんだろ。表情的には脈アリだよね。
「ごめんなさい」
うんうん、了承.........
「えっ!!!」
思った以上に大きな声が出て少し目立ってしまった。
お父様もお母様もフォストすらも了承するものだと思って聞いていたから目を見開いている。
一方ワールはあ、えっと、その...とアワアワしてから
「あ...すみません、こんな大人数の前で......迷惑でしたよね.........ごめんなさい!!」
そう言っては走り去ってしまった。
でも私は見逃さなかった。ワールが涙目になっていることを。
皆がいる前でメイリスに問い詰めるわけにもいかず、微妙な空気の中で王宮に向かうことになってしまった。
王宮に到着した後もその空気は変わらず、微妙な顔をしたまま謁見をすることになった。
「シエラ嬢!メイリス!よく来たな!!」
という、相変わらず豪快な笑い声を響かせながら言うハルエット国の陛下のおかげで空気が和らいで心の底からほっとしたのは、私だけではないはず。
「陛下、王太子殿下、お久しぶりです」
今日は珍しく、ハルエット国の第1王子も謁見の間に居たから2人に挨拶をすると
「シエラ嬢、久しぶりだね。ナリス国で弟が迷惑をかけなかった?」
そう言って、王太子殿下はメガネをクイッと上げて意地悪そうな笑みを浮かべた。
フォストはその隣で少しバツ悪そうな顔をして視線をそらしたけど。
それを見た陛下は、ふははは!と笑っていた。
「あ、陛下。私の父と母が挨拶をしたいと言ったので一緒に来ているんですが......」
と私が言うと
「おぉ!そうだった!すまんのぉ、最近物忘れが酷くて」
「陛下は昔っから物忘れが激しいですよ」
「おぉ?そうか?それは悪かったな」
陛下と王太子殿下が軽口を叩いている姿なんてナリス国では見たことがないからお父様とお母様はポカーンとしていた。
わかるわかる。私も最初は同じ反応だったわ。
とバレないように小さく頷いているとフォストと目が合って、クスッと笑われてしまった。
「ハーヴェスト公爵夫妻よ。そなたらの娘、シエラ嬢は我が国で沢山活躍してくれた。それなのに次は結界を張ってくれるとのこと。これしか言えないのは心苦しいが言わせてくれ。感謝する...っ」
そう言って陛下は頭を下げた。
すると
「い、いえ!お礼を言わなければならないのは私共の方です!頭をお上げください...!」
とお父様が顔色を悪くさせて焦っていた。
隣のお母様は、もげるんじゃないかという勢いで首を縦に振っている。
その様子に陛下はキョトンとした顔をして見ていると
「娘が沢山お世話になったと聞きました。本当にありがとうございます」
と今度はお父様達が頭を下げた。
それを見た陛下が豪快に笑ったなと思ったら
「シエラ嬢、両親にそっくりですね」
と王太子殿下がニッコリ笑って言ってきた。
お父様とお母様と私が同時に首を傾げたのを見て、フォストとメイリス含め4人が吹き出して笑ったのは言うまでもない。
134
あなたにおすすめの小説
幼馴染の王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
一度完結したのですが、続編を書くことにしました。読んでいただけると嬉しいです。
いつもありがとうございます。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。
殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。
和泉鷹央
恋愛
雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。
女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。
聖女の健康が、その犠牲となっていた。
そんな生活をして十年近く。
カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。
その理由はカトリーナを救うためだという。
だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。
他の投稿サイトでも投稿しています。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
私のことは愛さなくても結構です
ありがとうございました。さようなら
恋愛
サブリナは、聖騎士ジークムントからの婚約の打診の手紙をもらって有頂天になった。
一緒になって喜ぶ父親の姿を見た瞬間に前世の記憶が蘇った。
彼女は、自分が本の世界の中に生まれ変わったことに気がついた。
サブリナは、ジークムントと愛のない結婚をした後に、彼の愛する聖女アルネを嫉妬心の末に殺害しようとする。
いわゆる悪女だった。
サブリナは、ジークムントに首を切り落とされて、彼女の家族は全員死刑となった。
全ての記憶を思い出した後、サブリナは熱を出して寝込んでしまった。
そして、サブリナの妹クラリスが代打としてジークムントの婚約者になってしまう。
主役は、いわゆる悪役の妹です
婚約者が妹と婚約したいと言い出しましたが、わたしに妹はいないのですが?
柚木ゆず
恋愛
婚約者であるアスユト子爵家の嫡男マティウス様が、わたしとの関係を解消して妹のルナと婚約をしたいと言い出しました。
わたしには、妹なんていないのに。
【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ
・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。
アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。
『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』
そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。
傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。
アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。
捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。
--注意--
こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。
一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。
二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪
※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。
※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。
婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。
だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。
もしかして、婚約破棄⁉
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる