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16話 リリー・アバズリー
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リリーside
遅いわ...。この私をいつまで待たせるつもりなのよ!もうこの家に来てから30分は待ったんじゃないかしら!?
「ちょっと、そこのメイド!!」
「はい?なんでしょうか」
「いつまで待たせるつもりなのよ!」
と部屋に案内したメイドに聞くと
「はぁ、それを私に言われましても」
と返された。
...なによ!このメイド!私を誰かわかっててそんな態度してるわけ!?
「私は、この家の主の子供まで身篭ってるのよ!?どういうつもりなの!」
「はぁ...私はこの部屋に案内するように指示されただけですので......では失礼致します」
溜息をつきながらそう言うと、メイドは部屋を出ていった。
なんなのよ!あんなメイド私が公爵夫人になったらクビにしてやるんだから!
大体、あの女がまともに教育してないからあんな奴が調子に乗るんだわ!
...にしても昨日も一昨日もマノン様が来てないから家にいるはずなのに、なんでこんなに待たせるの?
きっとあの女に邪魔されてるのね!やっと公爵夫人になれるのに本当に邪魔な女だわ!!
それより、妊娠なんて嘘ついちゃったけど......まぁ、途中で不慮の事故によって流産しちゃったとか適当に言えば大丈夫よね!
あっ!そうだわ!あの女になんかされたとか言えばいいのよ!そうすれば邪魔者も消えるし!
「ふふふ...」
今後のことを考えていると思わず笑みがこぼれた。
するとそこへ、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「はぁーい」
マノンが来たと思い、甘ったるい声を出して返事をすると、見たこともない男性が立っていた。
その男性は私のことを品定めするかのように上から下まで眺めると
「噂に違わず娼婦のような女だな」
と言ってきた。
「なっ、誰よ!あんたは!!」
「シエラ・ハーヴェストの父親だが?」
そう言う男性を見ると確かにシエラとどこか雰囲気が似ていた。
「あ、なるほどね。あの女はマノン様に捨てられたのが悔しくて、自分の親に助けを求めたんだ?」
私がクスクスと馬鹿にしたように笑うとシエラの父親は、はぁ...と溜息をついた。
「言っておくが、私はシエラの代わりに領主代行をしているだけだ」
「どういうことよ!ここの領主はマノン様でしょ!?なんで、あんたがやってんのよ!!」
「貴様は何を勘違いしているのかわからんが、領主もこの家の主人もシエラだ。たかが婿養子に譲るわけがないだろう?」
呆れた、というのが聞こえるかのように言われた内容に私は衝撃を受けた。
...え?どういうこと?お父様は確かにマノン様が領主になったって言ってたじゃない。違うの?じゃあ、私はなんのためにマノン様を誘惑したのよ!?
「貴様には陛下自ら罰を与えるそうだ。もちろん、馬鹿な両親含めてな」
私を睨みながら言うと兵士達に私を追い出すように指示した。
「ちょ、離しなさいよ!マノン様を呼んで!ちゃんと説明しなさいよ!!」
引きずられながら必死に叫ぶ私にシエラの父親は
「マノンなら、シエラを探すようにと陛下に命じられ国にはいない」
と言ってきた。
...嘘でしょ?なんであんな奴のことを、探さなきゃいけないのよ!この私はどうなるのよ!?
門の外に放り投げるように追い出された私は、さっき言われたことが信じられなくて、座り込んだまま動けなくなっていた。
遅いわ...。この私をいつまで待たせるつもりなのよ!もうこの家に来てから30分は待ったんじゃないかしら!?
「ちょっと、そこのメイド!!」
「はい?なんでしょうか」
「いつまで待たせるつもりなのよ!」
と部屋に案内したメイドに聞くと
「はぁ、それを私に言われましても」
と返された。
...なによ!このメイド!私を誰かわかっててそんな態度してるわけ!?
「私は、この家の主の子供まで身篭ってるのよ!?どういうつもりなの!」
「はぁ...私はこの部屋に案内するように指示されただけですので......では失礼致します」
溜息をつきながらそう言うと、メイドは部屋を出ていった。
なんなのよ!あんなメイド私が公爵夫人になったらクビにしてやるんだから!
大体、あの女がまともに教育してないからあんな奴が調子に乗るんだわ!
...にしても昨日も一昨日もマノン様が来てないから家にいるはずなのに、なんでこんなに待たせるの?
きっとあの女に邪魔されてるのね!やっと公爵夫人になれるのに本当に邪魔な女だわ!!
それより、妊娠なんて嘘ついちゃったけど......まぁ、途中で不慮の事故によって流産しちゃったとか適当に言えば大丈夫よね!
あっ!そうだわ!あの女になんかされたとか言えばいいのよ!そうすれば邪魔者も消えるし!
「ふふふ...」
今後のことを考えていると思わず笑みがこぼれた。
するとそこへ、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「はぁーい」
マノンが来たと思い、甘ったるい声を出して返事をすると、見たこともない男性が立っていた。
その男性は私のことを品定めするかのように上から下まで眺めると
「噂に違わず娼婦のような女だな」
と言ってきた。
「なっ、誰よ!あんたは!!」
「シエラ・ハーヴェストの父親だが?」
そう言う男性を見ると確かにシエラとどこか雰囲気が似ていた。
「あ、なるほどね。あの女はマノン様に捨てられたのが悔しくて、自分の親に助けを求めたんだ?」
私がクスクスと馬鹿にしたように笑うとシエラの父親は、はぁ...と溜息をついた。
「言っておくが、私はシエラの代わりに領主代行をしているだけだ」
「どういうことよ!ここの領主はマノン様でしょ!?なんで、あんたがやってんのよ!!」
「貴様は何を勘違いしているのかわからんが、領主もこの家の主人もシエラだ。たかが婿養子に譲るわけがないだろう?」
呆れた、というのが聞こえるかのように言われた内容に私は衝撃を受けた。
...え?どういうこと?お父様は確かにマノン様が領主になったって言ってたじゃない。違うの?じゃあ、私はなんのためにマノン様を誘惑したのよ!?
「貴様には陛下自ら罰を与えるそうだ。もちろん、馬鹿な両親含めてな」
私を睨みながら言うと兵士達に私を追い出すように指示した。
「ちょ、離しなさいよ!マノン様を呼んで!ちゃんと説明しなさいよ!!」
引きずられながら必死に叫ぶ私にシエラの父親は
「マノンなら、シエラを探すようにと陛下に命じられ国にはいない」
と言ってきた。
...嘘でしょ?なんであんな奴のことを、探さなきゃいけないのよ!この私はどうなるのよ!?
門の外に放り投げるように追い出された私は、さっき言われたことが信じられなくて、座り込んだまま動けなくなっていた。
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