86 / 89
85話
しおりを挟む
えーっと.......?
一体何が起こっているんでしょう?
お兄様は私の目の前で膝をついていて........それで結婚して欲しいと.......。
い、いや、でもそんなのはありえませんわ。
だってお兄様が私に結婚を申し込むなんて.......。
きっと、私がそうであって欲しい、と妄想してしまっただけですわよね。
そう思ってお兄様を見ると
「急にこんなことを言ってもシャルを困らせるだけだよね」
とお兄様は悲しそうに苦笑しましたわ。
そこで、やっとこれは現実なんだ、と理解できたんですが
「え....えぇ!?」
咄嗟そんな声が出てしまいましたが、思った以上に間抜けな声で、なんだか自分でも笑ってしまいそうになりましたよ。
恥ずかしいですわ..........。
なんて思いながら、苦笑しているお兄様に
「そんなの、お父様もお母様も反対するに決まっていますわよ!」
そう言って、お兄様に握られた手を解こうととしたんですが、お兄様は
「その2人は大丈夫だよ」
というだけで、なかなか手を離してくれませんわ。
しかも、その2人は大丈夫、ってどういう意味ですの?
お父様はあんなにも私とお兄様が結婚することに関して反対、と言いますか何も興味を示さなかったじゃないですか。
それに、お母様だって私に婚約を勧める様なことを言っていましたし。
色んなことが頭の中を過るなか、お兄様は
「俺はシャルの意思を知りたいんだ」
と言って、握っていた手に少し力を込めました。
「私の.........」
つ呟いた時に手に意識を集中させると、なんだかお兄様の手が震えているのに気付きましたわ。
お兄様だって、こんな大事な話をしているんですから緊張しないわけがありませんわよね。
でも、そんな中でもお兄様は私の意思を尊重しようと思ってくれているのが伝わってきますわ。
お兄様と結婚する私の夢でもありますし、今でも出来ることならしたい、と思っています。
その気持ちは婚約者が出来ても出来なくても変わったことはありませんでしたわ。
ですが
「その......お兄様は良いんですの?私と結婚することになって..........」
急にこんな話をしてくる、ということはお兄様の意思はどうなんだ、と気になりますわ。
だって、今まで私の気持ちを全面的に出して伝えていたのに、思いっきり無視されていましたもの。
お兄様が私のことを好きではないけど、相手がいないから仕方なく、ということだったら悲しいですわ。
そう思いながら恐る恐る聞いたんですが、お兄様は考える素振りも見せず
「もちろん」
と即答して微笑んでくれました。
その微笑みは、アンナ様の前で見せていたような笑みではなく、とても優しくて私の大好きなお兄様の笑みですわ。
だったら、悩むことなんてありませんわよね。
そう思った私は
「よろしくお願いしますわ」
と言って、お兄様に思いっきり抱き着きました。
膝をついていたせいもあって、お兄様はバランスを崩してしまっていたんですが、今まで私の告白をとことん無視し続けたんです。
怒らないでくださいね。
一体何が起こっているんでしょう?
お兄様は私の目の前で膝をついていて........それで結婚して欲しいと.......。
い、いや、でもそんなのはありえませんわ。
だってお兄様が私に結婚を申し込むなんて.......。
きっと、私がそうであって欲しい、と妄想してしまっただけですわよね。
そう思ってお兄様を見ると
「急にこんなことを言ってもシャルを困らせるだけだよね」
とお兄様は悲しそうに苦笑しましたわ。
そこで、やっとこれは現実なんだ、と理解できたんですが
「え....えぇ!?」
咄嗟そんな声が出てしまいましたが、思った以上に間抜けな声で、なんだか自分でも笑ってしまいそうになりましたよ。
恥ずかしいですわ..........。
なんて思いながら、苦笑しているお兄様に
「そんなの、お父様もお母様も反対するに決まっていますわよ!」
そう言って、お兄様に握られた手を解こうととしたんですが、お兄様は
「その2人は大丈夫だよ」
というだけで、なかなか手を離してくれませんわ。
しかも、その2人は大丈夫、ってどういう意味ですの?
お父様はあんなにも私とお兄様が結婚することに関して反対、と言いますか何も興味を示さなかったじゃないですか。
それに、お母様だって私に婚約を勧める様なことを言っていましたし。
色んなことが頭の中を過るなか、お兄様は
「俺はシャルの意思を知りたいんだ」
と言って、握っていた手に少し力を込めました。
「私の.........」
つ呟いた時に手に意識を集中させると、なんだかお兄様の手が震えているのに気付きましたわ。
お兄様だって、こんな大事な話をしているんですから緊張しないわけがありませんわよね。
でも、そんな中でもお兄様は私の意思を尊重しようと思ってくれているのが伝わってきますわ。
お兄様と結婚する私の夢でもありますし、今でも出来ることならしたい、と思っています。
その気持ちは婚約者が出来ても出来なくても変わったことはありませんでしたわ。
ですが
「その......お兄様は良いんですの?私と結婚することになって..........」
急にこんな話をしてくる、ということはお兄様の意思はどうなんだ、と気になりますわ。
だって、今まで私の気持ちを全面的に出して伝えていたのに、思いっきり無視されていましたもの。
お兄様が私のことを好きではないけど、相手がいないから仕方なく、ということだったら悲しいですわ。
そう思いながら恐る恐る聞いたんですが、お兄様は考える素振りも見せず
「もちろん」
と即答して微笑んでくれました。
その微笑みは、アンナ様の前で見せていたような笑みではなく、とても優しくて私の大好きなお兄様の笑みですわ。
だったら、悩むことなんてありませんわよね。
そう思った私は
「よろしくお願いしますわ」
と言って、お兄様に思いっきり抱き着きました。
膝をついていたせいもあって、お兄様はバランスを崩してしまっていたんですが、今まで私の告白をとことん無視し続けたんです。
怒らないでくださいね。
45
お気に入りに追加
2,508
あなたにおすすめの小説

【完結】『婚約破棄』『廃嫡』『追放』されたい公爵令嬢はほくそ笑む~私の想いは届くのでしょうか、この狂おしい想いをあなたに~
いな@
恋愛
婚約者である王子と血の繋がった家族に、身体中をボロボロにされた公爵令嬢のレアーは、穏やかな生活を手に入れるため計画を実行します。
誤字報告いつもありがとうございます。
※以前に書いた短編の連載版です。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。


異世界転移聖女の侍女にされ殺された公爵令嬢ですが、時を逆行したのでお告げと称して聖女の功績を先取り実行してみた結果
富士とまと
恋愛
公爵令嬢が、異世界から召喚された聖女に婚約者である皇太子を横取りし婚約破棄される。
そのうえ、聖女の世話役として、侍女のように働かされることになる。理不尽な要求にも色々耐えていたのに、ある日「もう飽きたつまんない」と聖女が言いだし、冤罪をかけられ牢屋に入れられ毒殺される。
死んだと思ったら、時をさかのぼっていた。皇太子との関係を改めてやり直す中、聖女と過ごした日々に見聞きした知識を生かすことができることに気が付き……。殿下の呪いを解いたり、水害を防いだりとしながら過ごすあいだに、運命の時を迎え……え?ええ?

【完結】義母が来てからの虐げられた生活から抜け出したいけれど…
まりぃべる
恋愛
私はエミーリエ。
お母様が四歳の頃に亡くなって、それまでは幸せでしたのに、人生が酷くつまらなくなりました。
なぜって?
お母様が亡くなってすぐに、お父様は再婚したのです。それは仕方のないことと分かります。けれど、義理の母や妹が、私に事ある毎に嫌味を言いにくるのですもの。
どんな方法でもいいから、こんな生活から抜け出したいと思うのですが、どうすればいいのか分かりません。
でも…。
☆★
全16話です。
書き終わっておりますので、随時更新していきます。
読んで下さると嬉しいです。
婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。
国樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。
声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。
愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。
古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。
よくある感じのざまぁ物語です。
ふんわり設定。ゆるーくお読みください。
地味で器量の悪い公爵令嬢は政略結婚を拒んでいたのだが
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
心優しいエヴァンズ公爵家の長女アマーリエは自ら王太子との婚約を辞退した。幼馴染でもある王太子の「ブスの癖に図々しく何時までも婚約者の座にいるんじゃない、絶世の美女である妹に婚約者の座を譲れ」という雄弁な視線に耐えられなかったのだ。それにアマーリエにも自覚があった。自分が社交界で悪口陰口を言われるほどブスであることを。だから王太子との婚約を辞退してからは、壁の花に徹していた。エヴァンズ公爵家てもつながりが欲しい貴族家からの政略結婚の申し込みも断り続けていた。このまま静かに領地に籠って暮らしていこうと思っていた。それなのに、常勝無敗、騎士の中の騎士と称えられる王弟で大将軍でもあるアラステアから結婚を申し込まれたのだ。

王太子に婚約破棄され塔に幽閉されてしまい、守護神に祈れません。このままでは国が滅んでしまいます。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
リドス公爵家の長女ダイアナは、ラステ王国の守護神に選ばれた聖女だった。
守護神との契約で、穢れない乙女が毎日祈りを行うことになっていた。
だがダイアナの婚約者チャールズ王太子は守護神を蔑ろにして、ダイアナに婚前交渉を迫り平手打ちを喰らった。
それを逆恨みしたチャールズ王太子は、ダイアナの妹で愛人のカミラと謀り、ダイアナが守護神との契約を蔑ろにして、リドス公爵家で入りの庭師と不義密通したと罪を捏造し、何の罪もない庭師を殺害して反論を封じたうえで、ダイアナを塔に幽閉してしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる