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78話
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アンナ様の家の調査結果、ですか。
いつの間に調査していたんでしょう?
そう思って、お父様を見ると
「シャルロットに言われてから、伯爵家について色んな人に頼んで調べてもらった」
と言って、中を見るように、と促してきました。
調査書は、全部で5枚あって、アンナ様の学園にいたときの行動から卒業後の行動。
伯爵家についてや、今疑いがあることの内容と、それに関しての調査結果まで詳しく書いてありましたわ。
まぁ、結果を言うと真っ黒ですわ。
まずはアンナ様が学生の時の行動ですが、毎日のように男性達と遊び歩いていて、隠し子が2人もいるみたいですわね。
今はどこで育てられているのかわかりませんが、アンナ様は子供を身ごもっている間も堂々と学園に通っていたみたいですわ。
なので、国の中では有名な話なんだとか。
だからこの年齢になっても婚約者がいないんですね。
これで納得しましたわ。
それから、男性の扱いが上手いみたいで色んな令嬢から子息たちを奪っては捨てていた、と。
これに関してはやっていることはアリス様と同じですわ。
そんな人がお兄様の婚約者になろうとしているなんて.......。
考えるだけで頭が痛くなってしまいます。
でも、調査書にはまだまだ結果が書かれているので読まないといけませんわね。
そう思って読み進めていると、アンナ様と関係を持った男性達は、その後行方が分からなくなっているみたいですわね。
中には妻子のいる男性もいて、いまだに行方を捜している人もいるみたいですわ。
伯爵家についても........まぁ、疑いではなく確信ですわね。
闇商売、人身売買、それから家に奴隷もいますの!?
これは相当ですわね.........。
とりあえず一通り読み終わったので顔を上げると
「今話し合っていたことも、この内容についてだ」
とお父様が怒りと、悲しみとが混ざり合ったような、そんな顔で苦笑しましたわ。
......ということは
「もしかして、私が行動しなくてもお兄様の婚約はなくなる、ということですの?」
私がレオンハルト様たちを説得している間に、お父様達はこの情報を掴んでいた、と言うことですわよね。
だったら私が動かなくても良かったではありませんか!?
そう思っていると、お母様は苦笑しながら
「まぁ、そういうことよ。あんな女なんて今すぐにでも追い出したいところだけど、まずはあちらの国の方に知らせないといけないからね」
と言っています。
なんだか拍子抜けですわ。
まだ、アンナ様の調査をしていないから我が家に出入りしていると思っていましたもの。
これには
「そうでしたの........」
という力のない返事しか出来ませんでしたわ。
あ、力を抜かしている場合ではありませんわ!
ハッと我に返った私は、お父様とお母様、それからお父様の秘書に
「だったら私も出過ぎた真似をしましたわ。すみません」
と頭を下げると、3人とも
「いや、当然の行動だと思うよ」
と言ってくれましたわ。
でも、とりあえずはアンナ様の件は片付くんですのよね?
はぁ......良かったですわ。
いつの間に調査していたんでしょう?
そう思って、お父様を見ると
「シャルロットに言われてから、伯爵家について色んな人に頼んで調べてもらった」
と言って、中を見るように、と促してきました。
調査書は、全部で5枚あって、アンナ様の学園にいたときの行動から卒業後の行動。
伯爵家についてや、今疑いがあることの内容と、それに関しての調査結果まで詳しく書いてありましたわ。
まぁ、結果を言うと真っ黒ですわ。
まずはアンナ様が学生の時の行動ですが、毎日のように男性達と遊び歩いていて、隠し子が2人もいるみたいですわね。
今はどこで育てられているのかわかりませんが、アンナ様は子供を身ごもっている間も堂々と学園に通っていたみたいですわ。
なので、国の中では有名な話なんだとか。
だからこの年齢になっても婚約者がいないんですね。
これで納得しましたわ。
それから、男性の扱いが上手いみたいで色んな令嬢から子息たちを奪っては捨てていた、と。
これに関してはやっていることはアリス様と同じですわ。
そんな人がお兄様の婚約者になろうとしているなんて.......。
考えるだけで頭が痛くなってしまいます。
でも、調査書にはまだまだ結果が書かれているので読まないといけませんわね。
そう思って読み進めていると、アンナ様と関係を持った男性達は、その後行方が分からなくなっているみたいですわね。
中には妻子のいる男性もいて、いまだに行方を捜している人もいるみたいですわ。
伯爵家についても........まぁ、疑いではなく確信ですわね。
闇商売、人身売買、それから家に奴隷もいますの!?
これは相当ですわね.........。
とりあえず一通り読み終わったので顔を上げると
「今話し合っていたことも、この内容についてだ」
とお父様が怒りと、悲しみとが混ざり合ったような、そんな顔で苦笑しましたわ。
......ということは
「もしかして、私が行動しなくてもお兄様の婚約はなくなる、ということですの?」
私がレオンハルト様たちを説得している間に、お父様達はこの情報を掴んでいた、と言うことですわよね。
だったら私が動かなくても良かったではありませんか!?
そう思っていると、お母様は苦笑しながら
「まぁ、そういうことよ。あんな女なんて今すぐにでも追い出したいところだけど、まずはあちらの国の方に知らせないといけないからね」
と言っています。
なんだか拍子抜けですわ。
まだ、アンナ様の調査をしていないから我が家に出入りしていると思っていましたもの。
これには
「そうでしたの........」
という力のない返事しか出来ませんでしたわ。
あ、力を抜かしている場合ではありませんわ!
ハッと我に返った私は、お父様とお母様、それからお父様の秘書に
「だったら私も出過ぎた真似をしましたわ。すみません」
と頭を下げると、3人とも
「いや、当然の行動だと思うよ」
と言ってくれましたわ。
でも、とりあえずはアンナ様の件は片付くんですのよね?
はぁ......良かったですわ。
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