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60話 ブレイドside
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アンナ嬢とは温室で話をすることになっているし、応接室にはまだ兄様の父親がいるからそのまま温室に向かうことになった。
......のはいいんだが
「えぇ~!ってことはブレイド様は6歳の時から当主の勉強をしていたんですかぁ~?」
そう言って隣を歩くアンナ嬢はさっきから妙に俺との距離が近い様に感じた。
一番最初に見た瞬間思ったのは
「まるで娼婦のような令嬢だな」
ということだった。
真っ青のドレスは落ち着いた色にもかかわらず、まだ昼だというのに露出が物凄く多いドレスを着ている。
胸元がガッツリと開いていて、スカート部分にはスリットが入っているせいで太ももが歩くたびにチラチラと現れて、正直目のやり場に困る。
それに、さっきから
「流石ですぅ~」
「知らなかったわぁ~」
「すごぉい」
の連発で、語尾は必ず伸ばす、という貴族令嬢としてはあり得ない喋り方をしていた。
これが婚約者になるのか、と考えると頭が痛くなるくらい体が受け付けない相手だった。
だが、アンナ嬢以外の相手がいないこともあって、仕方なく笑みを張り付けているんだが.......流石にそろそろ限界を迎えそうだ。
そう思っていると、父上は
「ブレイドと結婚して、子供が出来たとしても跡継ぎは娘の息子になる」
ということを、アンナ嬢父親、ビューリア伯爵に説明をしていた。
ビューリア伯爵には手紙でそうなることを説明していたが、念のため直接そう言っておかないと後で揉めるのは面倒だからな。
そこはハッキリと言っておかないと。
そう思いながら父上の説明に頷いていると
「えぇ~!?だったら私とブレイド様の子供はどうなっちゃうんですかぁ~」
アンナ嬢が甲高い声でそう言ってきた。
なんだろう.......手紙でのやり取りではもう少し額のある感じがしたんだがこうやって直接話すとバカ丸出し、ということばがピッタリだな。
子供のように、頬を膨らませながら父上に抗議しているアンナ嬢を、無意識に呆れながら眺めていると、そんなアンナ嬢に父上は、はぁ......と大きくため息をついた後に
「手紙でも説明しているはずだ」
と言って睨みつけた。
父上が人のことを睨むなんて珍しいな。
それほどまでにアンナ嬢を受け付けない、ということなんだろうか?
そう思いながら父上たちの会話を黙って聞いていると、どうしても納得できないのか
「そんなの聞いてないですよぉ~!ブレイド様も自分の息子を当主にしたいですよね?」
アンナ嬢は俺に上目遣いをしながらそう尋ねてきた。
もちろん、自分の息子に後を継いでもらいたい、という気持ちは俺も同じだ。
だが、このアンナ嬢との間に息子が産まれたとしてもこの家では全く関係のない子供、ということだ。
やっぱりシャルと婚約して、っていうのが一番面倒ごとにならない答えだったんだよな........。
でも、シャルにも婚約者が出来るだろうし、今更そんなことを言っても..........。
なんて考えていたせいで、俺の答えがアンナ嬢と同じだと考えた父上が
「とにかく、それが無理なんでしたらこの婚約はなかったことになります。さて、私からの話は終わりましたし後は若いもので」
そう言って席を立ってしまった。
雰囲気でわかる。
今の父上は、静かに怒っている、と。
俺がアンナ嬢の問いかけに答えなかったから...........。
そう思って、立ち上がった父上に
「ち、父上............」
と声をかけたものの、父上は俺のことを一回も見ることなく温室から出て行ってしまった。
......のはいいんだが
「えぇ~!ってことはブレイド様は6歳の時から当主の勉強をしていたんですかぁ~?」
そう言って隣を歩くアンナ嬢はさっきから妙に俺との距離が近い様に感じた。
一番最初に見た瞬間思ったのは
「まるで娼婦のような令嬢だな」
ということだった。
真っ青のドレスは落ち着いた色にもかかわらず、まだ昼だというのに露出が物凄く多いドレスを着ている。
胸元がガッツリと開いていて、スカート部分にはスリットが入っているせいで太ももが歩くたびにチラチラと現れて、正直目のやり場に困る。
それに、さっきから
「流石ですぅ~」
「知らなかったわぁ~」
「すごぉい」
の連発で、語尾は必ず伸ばす、という貴族令嬢としてはあり得ない喋り方をしていた。
これが婚約者になるのか、と考えると頭が痛くなるくらい体が受け付けない相手だった。
だが、アンナ嬢以外の相手がいないこともあって、仕方なく笑みを張り付けているんだが.......流石にそろそろ限界を迎えそうだ。
そう思っていると、父上は
「ブレイドと結婚して、子供が出来たとしても跡継ぎは娘の息子になる」
ということを、アンナ嬢父親、ビューリア伯爵に説明をしていた。
ビューリア伯爵には手紙でそうなることを説明していたが、念のため直接そう言っておかないと後で揉めるのは面倒だからな。
そこはハッキリと言っておかないと。
そう思いながら父上の説明に頷いていると
「えぇ~!?だったら私とブレイド様の子供はどうなっちゃうんですかぁ~」
アンナ嬢が甲高い声でそう言ってきた。
なんだろう.......手紙でのやり取りではもう少し額のある感じがしたんだがこうやって直接話すとバカ丸出し、ということばがピッタリだな。
子供のように、頬を膨らませながら父上に抗議しているアンナ嬢を、無意識に呆れながら眺めていると、そんなアンナ嬢に父上は、はぁ......と大きくため息をついた後に
「手紙でも説明しているはずだ」
と言って睨みつけた。
父上が人のことを睨むなんて珍しいな。
それほどまでにアンナ嬢を受け付けない、ということなんだろうか?
そう思いながら父上たちの会話を黙って聞いていると、どうしても納得できないのか
「そんなの聞いてないですよぉ~!ブレイド様も自分の息子を当主にしたいですよね?」
アンナ嬢は俺に上目遣いをしながらそう尋ねてきた。
もちろん、自分の息子に後を継いでもらいたい、という気持ちは俺も同じだ。
だが、このアンナ嬢との間に息子が産まれたとしてもこの家では全く関係のない子供、ということだ。
やっぱりシャルと婚約して、っていうのが一番面倒ごとにならない答えだったんだよな........。
でも、シャルにも婚約者が出来るだろうし、今更そんなことを言っても..........。
なんて考えていたせいで、俺の答えがアンナ嬢と同じだと考えた父上が
「とにかく、それが無理なんでしたらこの婚約はなかったことになります。さて、私からの話は終わりましたし後は若いもので」
そう言って席を立ってしまった。
雰囲気でわかる。
今の父上は、静かに怒っている、と。
俺がアンナ嬢の問いかけに答えなかったから...........。
そう思って、立ち上がった父上に
「ち、父上............」
と声をかけたものの、父上は俺のことを一回も見ることなく温室から出て行ってしまった。
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