婚約破棄されましたが、お兄様がいるので大丈夫です

榎夜

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47話

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さて、大体の話も終わりましたし、跡継ぎについても納得してもらえましたわ。

後は特に話すことがないはずなんですが、この後はどうするんでしょう?

そう思いながらチラッとお父様を見ると、私と同じことを思っていたようで

「話は終わりですが、そちらから何か話しておくことはありますか?」

と公爵に尋ねましたわ。

これで、何もないです、ということだったら解散になりますがどうでしょう?

そう思って公爵を見ると、それよりも先にフレッド様が

「あの.....時間があったらシャルロット嬢と2人で話がしたいんですが良いでしょうか?」

と遠慮気味に言ってきましたわ。

まぁ、この後は特に用事もありませんし別に良いですよ?

と思っていると、お父様も

「そうだな、当人同士で話がしたいだろう」

と頷いてくれました。

なので私も

「えぇ、そうですわね」

と頷くと、ホッとした顔をして

「ありがとう」

とお礼を言ってきましたわ。

さぁ、そうと決まればですわね。

スッと椅子から立ち上がって

「お父様、私達は温室を使おうと思うのですが大丈夫ですか?」

とお父様に尋ねると

「あぁ、今日は使う予定がないから大丈夫だ。後でお茶を持って行かせる」

そう言ってニッコリと微笑んでくれましたわ。

確かお兄様達は園庭で会う予定ですものね。

今頃準備が進んでいるでしょうし、邪魔をしてはいけませんもの。

お父様にニッコリと微笑み返して

「えぇ、お願いしますわ」

と言うと、移動することを察したフレッド様もスッと席を立ってくれましたわ。


ーーーーーーーーーーーーー

フレッド様と移動中、チラッと顔を見ますが本当にお兄様にそっくりですわね。

だからでしょうか?

考えたくもないんですが、自然とお兄様のことを考えてしまう、という.........。

ですが、それはフレッド様にも失礼ですわよね。

最初にあった時よりも雰囲気が柔らかくなって、より一層お兄様に似ているフレッド様を見ながら歩いていると、前から歩いてきたメイドが駆け寄ってきましたわ。

お父様に頼まれたメイドかしら?

そう思っていると、まさかの私ではなくフレッド様に

「ブレイド様、今日のお茶のことなんですが」

と話しかけましたわ。

これは......お兄様と勘違いしていますわね。

まぁ、無理もないですわ。

本当にそっくりなんですもの。

フレッド様はキョトンとしている中、メイドに

「この人は私の婚約者候補のフレッド様ですわ。お兄様ではありませんわよ」

と苦笑しながら言うと、私の言うことが理解できなかったのかキョトンとした顔をしていますわ。

ですが、すぐに理解してくれたみたいで

「えっ!?えぇ!?」

2度見ではなく3度見をして、驚いていますわね。

なんだか面白いですわ。

メイドの様子に思わずクスクス笑っていると、フレッド様が

「初めまして、ブレイドの実の兄でシャルロット嬢の婚約者候補になりました」

以後お見知りおきを、と挨拶をすると、お兄様の実のお兄様、ということで似ているのも納得したみたいで

「え、あ.......す、すみません!」

と思いっきり頭を下げていますわ。

もう、その反応も面白くて笑いが止まりませんわね。

本当は声を出して笑いたいのを我慢しながら

「似ていますものね。仕方ありませんわ」

私がそう言ったものの、メイドは一生懸命フレッド様に謝っています。

「大丈夫だから顔を上げて」

というフレッド様を横目に見ていると、急に後ろの方から

「どうしたの?」

と聞きなれた声が聞こえてきました。
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