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46話
しおりを挟むその後は、最初はギスギスとした空気でしたが、話をするうちに和やかな空気に変わって、最初のことはなかったかのように話が進んでいきましたわ。
まず、私の婚約者になる.......なんて言えば私が偉そうな感じになってしまうんですが、まぁ仕方ありませんわね。
それで、婚約者になるとしても、家はブレイドお兄様が継ぐ、ということを説明することになりました。
隣国では一家の子供が女しかいない場合、入り婿を迎えて女が後を継ぐ、というのが一般的らしいんですの。
ですが、この国はなぜか跡継ぎは男だ、と決まっているので仕方がないんです。
その話を聞いた公爵は
「ですが、公爵の血を引いていないブレイド殿の息子が、次の跡継ぎとなると血筋が途絶えてしまいますよ?」
と首を傾げています。
そうなんですの。
お兄様はお兄様で変わらないんですが、我が家の血は一滴も入っていない。
ということで、ここは少し特殊なんですが、私の1人目の息子は我が家の跡継ぎとして、育てられることになりますわ。
なので、お兄様に息子が誕生したとしても我が家を継ぐことはありません。
まぁ、これに関してはお兄様の婚約者の同意も必要なので今日しっかりと話すと思いますわ。
そう言えば、フレッド様も公爵の血が入っていないみたいですが、それに関しては良いんでしょうか?
思わず首を傾げながらそう思っていると、それを見たフレッド様が
「俺も公爵の血が入っていないのでは?と思ったよね」
と苦笑していますわ。
まぁ、そうなんですが頷いても良いのか悪いのかわかりませんわね。
すると公爵が
「それに関しては大丈夫ですよ。私と妻の間では子供を持つことがありませんでしたが、フレッドのひいおばあ様が我が家の出身なので薄いですが我が家の血も入っています」
と説明してくれましたわ。
なるほど.......そういうことならフレッド様が公爵の元に来たのも納得ですわ。
ですが、基本的にはそうですわよね。
普通は我が家の血が一滴でも入っている子を養子とするのが一般的なんです。
お父様は特殊すぎるんですわ。
そう思ってお父様を見ると
「何が言いたいか察するが今は言わないでくれ」
と苦笑しています。
まぁ、今話すことではないですしね。
後からにしましょう。
そう思っていると、フレッド様に
「それで、俺の他に婚約者候補、っていうのは誰なのか教えてもらっても良いかな?」
と聞かれましたわ。
言っても良いんですのよね?と思ってお父様を見ると小さく頷いていたので
「我が国の王太子、レオンハルト殿下ですわ」
とだけ言うと、フレッド様は
「え.........?」
と固まってしまいました。
あら?何か変なことでもいいましたかね?
そう思って、フレッド様に
「どうしましたの?」
と尋ねると、
「いや、誰がどう考えても殿下との婚約の方が良いんじゃないかな、って思って」
そう言って苦笑していますわ。
それは他の人だからこそ、そう思うんですわ。
王妃にもなれますし、お金にも困りませんもの。
そう思っていると、公爵までもが
「わ、私もそう思いますが.......」
と小さな声で言ってきました。
2人にそんなことを言われて、思わずため息をついてしまいましたわ。
だって、私は王妃になりたいわけではありませんし、面倒事はごめんですの。
王族なんて行動も制限されますし、他の人の手本とならないと、とか色々あって絶対嫌ですわ。
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