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33話
しおりを挟む結局その日は、日付が変わるくらいまで婚約者の候補を絞ってから寝ることにしましたわ。
本当はお母様とお話をしてから、とも思ったんですが、遅い時間だったのでもうお休みでしたの。
残念ですわ。
一応、お父様とも話して候補としたのは2人。
1人はお馴染みのレオンハルト様ですわね。
一番の理由は断りにくい相手だから、というのが本音ですが、幼いころから知っているから婚約期間が短くても上手くやっていけるだろう、というお父様の判断ですわ。
なんとなく、レオンハルト様は候補に入れたくなかったんですがこうなっては仕方ありませんわね。
そしてもう1人は隣国の公爵様ですの。
【フレット・ウィンダ】様というお方なんですが、会ったことはありませんの。
隣国の貴族とお話しする機会なんてあまりありませんからね。
だからこそ、なぜ私に求婚してきたのかは謎でしたが、なんとなく気になったので会ってみよう、ということで候補になりましたわ。
この2人のどちらかが私の婚約者、ということになりますわね。
それにしても、王族でもない私が婚約者候補、だなんて贅沢ですわよね。
普通なら両親同士で話して決まるんですもの。
そう考えると婚約者を選べるのは凄く贅沢なことですわ。
ちなみに、お父様はレオンハルト様との婚約を勧めてきましたわ。
家の権力、という話ではなく、純粋にこの年齢になるまで私一筋だったレオンハルト様に頑張ってもらいたい、とのことでしたわ。
........そうは言っても、なんですけどね。
こればっかりは、もう1人のお方と会わないとわかりませんわ。
とにかく、明日学園でレオンハルト様にはお会いすることになりますね。
その次の日がお休みなので、早ければその日に、遅ければ来週の休日にフレット様とお会いすることになりますわ。
どんな結果になるのか、なんて全く想像もつきませんが、とにかく余計なことは考えずに前に進みましょう。
私に出来るのはそれだけですもの。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして次の日、学園に行くと普段は授業が始まるギリギリまで登校しないレオンハルト様が、もうクラスの中にいましたわ。
はぁ........絶対話しかけてきますわよね。
面倒くさいですわ。
あ、でも、昨日の夜に決まったことですし、まだ知らない可能性もありますわね。
出来ることなら知らないでいて欲しいですわ。
そう思いながら自分の席に着くと、レオンハルト様が近付いてきたのが見えましたわ。
あの顔.......絶対知っていますわね。
そう思って警戒していると、
「シャルロット様、大丈夫ですの?」
レオンハルト様よりも先にビビアン様が私に気付いて駆け寄ってきてくれましたわ。
それにホッとした私は
「後で詳しくお話しますわ」
そう言って微笑むと、何か言いたそうにしていますが口を閉ざしてくれました。
多分ですが、私が休みの間に何かありましたわね。
なんとなくですが、向けられる視線が同情しているような、そんな視線ですもの。
はぁ......今度は何がありましたの?
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