婚約破棄されましたが、お兄様がいるので大丈夫です

榎夜

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24話

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座っている状態で、ですが、カーシェ公爵は深々と........それも机に頭が付くのでは?と思うほどに深々と頭を下げてきたんです。

プライドの高いカーシェ公爵がそこまで頭を下げるとは......驚きですね。

そう思っていると、頭を上げたカーシェ公爵は

「それで、婚約の件だが手紙でも書いてある通りベルンが一時の気の迷いで起こしたものだ。なかったことにしてくれないか.......っ」

と言ってきましたわ。

せっかく感心したのもこれでぶち壊しですわね。

つい、ため息をつきながらカーシェ公爵を眺めていると、お父様は苦い顔をしながら

「なかったことにして欲しい、とさっきから同じことしか言わんが、自分の息子がシャルロットに対してどんなことをしたのか、全て知っているのか?」

と聞いていますわ。

まぁ、一応2人は友人ですからね。

友人が頭を下げている姿なんてあまり見たいものでもないので、そんな顔になるのも仕方ないですわ。

まぁ、それもこれも、ベルン様のせいなんですけどね。

ベルン様はそのことをわかっているんでしょうか?

そう思っていると、カーシェ公爵は

「そ、そんなにベルンは酷いことをしたのか?婚約破棄したことしか聞いていないが.........」

と驚いています。

まぁ!何も伝えていませんのね!

だったらカーシェ公爵が婚約破棄はなかったことに、と言っているのも頷けますわ。

なので、ベルン様をギロっと睨みつけながら

「自分で私にやったことを全て言うべきでは?私はお父様に全て話していますわよ」

そう言うと、ベルン様は顔色を真っ青に変えました。

一方、カーシェ公爵は状況がわかっていないのでオロオロとしながら、私の顔とベルン様の顔を行ったり来たりしてみていますわ。

ベルン様はまだ説明をしないつもりなのかお得意のだんまりですわ。

別に私から言っても良いんですのよ?

でも、自分の口から言いたいかな、と思って仕方なく言わないでおいてあげているんです。

まぁ、それもわかっていないようですけどね。

ベルン様の様子に、お父様までもがため息をついていますわ。

そう言う反応になりますわよね。

わかりますわ。

いつまで経っても話が進まないと思った私は

「ベルン様が言わないのであれば私から言っても良いんですのよ?今日起こったことを全て」

そう言ってベルン様にニッコリと微笑むと、顔色を青くしたまま

「ま、待ってくれ!あれは俺も気が気じゃなかったんだ!」

と焦っていますわ。

その様子を見たカーシェ公爵はベルン様が何をやったのか気になったようで

「一体何があったんだ?こうなったら全て隠さずに教えて欲しい」

そう言って私の目をしっかりと見てきました。

お父様をチラッと見ると、小さく頷いたのが見えたので言っても良い、ということでしょう。

なので

「わかりましたわ」

とカーシェ公爵に頷いて、婚約破棄されたところから今日の起こったことまで全てお話させてもらいましたわ。

これでベルン様がどれほどまでに非常識で、酷いことをしたのか理解してくれたでしょう。
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