婚約破棄されましたが、お兄様がいるので大丈夫です

榎夜

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21話

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ビビアン様とゆっくり話がしたいので、今日は温室ではなく我が家でお茶会をすることになりましたの。

温室にいると、どうしても人目がありますし、また厄介な人達に絡まれるのは嫌ですもの。

はぁ......本当に今日は疲れましたわね。

朝一でベルン様が教室に来たことから始まり、温室で厄介な人に絡まれ、それから放課後もですか。

これが毎日続いたら、まともな学園生活も出来ませんわよね。

一応、2日も連続で面倒ごとに巻き込まれていますし、何か対策をした方が良いでしょうか?

なんてことを考えているうちに家に到着しましたわ。

ビビアン様は家の馬車があるので、準備のことも考えて少し遅れてきてくれることになっていますわ。

早速、皆に来客があることを伝えないといけませんわね。

急いでまずはメイドに、次は調理場、そしてお父様のところに向かいましたわ。

メイドと調理場はたまにそういうこともあるので、すんなりと

「わかりました!」

と言ってくれたんですが、お父様が大変でしたのよ。

今、私のことで話したいことが山ほどあるのに、急な来客で出来ないとなると、話はそれが終わってからということになりますからね。

実際にお父様に

「今日、ビビアン様が来ますわ」

と報告をしたら

「話をすることが山ほどあるんだ。今日ではなく明日にしてもらってくれ」

と言われてしまいましたもの。

ですが、私だって友人と話をしないと息が詰まりますわ。

ということで、お父様に簡潔に話を聞いて、その答えを簡単に言っておきましたの。

長くなる話は後で詳しくすることを約束して、なんですけどね。

お父様が今日話しておくことは大きく分けて3つでしたわね。

1つ目はベルン様の家から謝罪文がきていたとのことでした。

今回の婚約破棄に関しては本人の気の迷いだった。

本人と話をして本気ではなかったとのことだから、真に受けないでくれ、とのことでしたわ。

ですが、学園であんなことを言われて、そうですか、と頷けるわけがありませんわよね。

今日会ったことを詳しく話をしているとビビアン様が来てしまうので、お父様には婚約破棄じゃないなら婚約を解消した、ということで進めて欲しいとお願いしましたわ。

そして2つ目はレオンハルト様からの婚約についてでしたわね。

そのことに関してはお断りしておくようにお願いしたはずなんですが、何故話が進んでいないんでしょう?

私が言い忘れていたんでしょうか?

最後は婚約者についてでしたわ。

レオンハルト様の他に10名ほど、婚約の申し込みがあったとのことですの。

お兄様以外には考えられませんわ、ということで勿論断るようにお願いしましたわ。

というか、なぜ私に婚約してきますの?

私って、いわゆる傷物ですわよ。

そんなのを家に迎え入れたいと考えている人が多いなんて、この国もどうかしていますのね。

まぁ、何と言われようとお兄様以外とは婚約するつもりはありませんわ。


なんてことをしているうちに、ビビアン様が来たとの報告がありました。

ちょうどお父様との話も一区切りしたところなので良いタイミングでしたわ!

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