婚約破棄されましたが、お兄様がいるので大丈夫です

榎夜

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16話

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さて、特に何も起こるわけもなくお昼休みですわね。

今日のお弁当は料理長が頑張った、と言っていたのでとても楽しみにしていましたのよ。

料理長が頑張った、ということは.......何かしら?

手間のかかる料理だ、というのは想像できますが、何が入っているのかはわかりませんわね。

ワクワクしながら自分の席を立つと

「シャルロット様、一緒に食事をしましょう」

そう言って駆け寄ってきてくれたのは私の友人の『ビビアン・ルイギャンダ』様ですわ。

同じ公爵令嬢なので、幼い時から一緒にお茶会に参加したりしているうちに仲良くなった、というのもありますが、お母様同士が親友と呼べるほどの仲だということで、よくお揃いのドレスを着てお茶会に参加していましたのよ。

ビビアン様は真っ黒な髪の毛に、切れ長で鋭い黄色の目、見た目だけだと怖そうな印象なんですが、実際に話をすると可愛らしくてとても優しいんですのよ。

そんなビビアン様に

「えぇ、もちろんですわ」

とにっこり微笑んで返事をして、早速場所の移動ですわ。

この学園で昼食をとる場所は大きく分かれて4つありますの。

まず1つ目は食堂。

ここは学年問わず結構人気が高いんですの。

あ、でも、席を選ぶのは爵位が上の人達が優先らしいですわ。

そういうのが面倒なので、私は行ったことがありませんが、聞いた話によると、結構安めの金額でお腹いっぱいになるくらいの食事が出来る、とか言っていましたわね。

料金は後に家の方に請求する、という形ならしく、味もそこそこだ、と聞いていますわ。

中にはお弁当は持ってきて、デザートだけ頼む人もいるらしいですわ。

そして2つ目は温室。

ここに行く人は基本的に昼食を持ってきている人が行く、という感じですわね。

ついでに食後のお茶を楽しみたい人だったり、友人と沢山お話をしたい、という人は温室が一番ですわ。

私とビビアン様も良く行きますのよ。

3つ目は屋上ですわ。

一時期、レジャーシートを敷いて座って食べる、というのが流行しましたのよね。

確かどこかの国の物語で、そのようなシーンがあった、と聞いていますわ。

一度ビビアン様と試してみたことがあるんですが、結構よかったと記憶しています。

まぁ、私とビビアン様は温室の方が好みだったので一度しか試したことはないんですけどね。

そして最後、4つ目は教室ですわ。

これはかなり珍しいですが、移動が面倒だったり、とりあえずお昼休みは寝ていたい、という人がよく教室に残っていますわね。

私はどちらかというと、休憩時間まで教室の中にはいたくない人なので、一度も試したことがないんですよね。

まぁ、今後もやることはないと思いますが.........。


隣を歩いているビビアン様に

「温室で良いですわね?」

と尋ねてみると

「えぇ、あそこが一番いいですわ」

そう答えが返ってきました。

まぁ、聞かなくてもそうでしょう、とは思っていましたが。

ということで、2人で温室に向かいます。

昼食くらいは大人しく食べられたらいいのですが、最近は邪魔者しかいないので嫌な予感がしますわね。

この嫌な予感が外れていたら良いんですが.......。
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