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44話

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言ってしまった後に後悔しても既に遅く、私の言葉を聞いた令嬢たちカリステラ様も含めて4人とも顔を真っ赤にして私のことを睨みつけてきましたわ。

ただ、私は思ったことを言っただけですし、そもそも私よりも圧倒的に立場が上のカリステラ様が殿下と仲良くしているだけで、わざわざ喧嘩を売りに来るって.......余裕がないと見られても仕方がないと思いますわよね?

はぁ......私としては、純粋に薬草のことを調べて楽しんでいたいだけなんですが.....。

面倒に感じた私は、取り巻きの令嬢が何かを叫んでいる中、無視をして再び本に視線を向けましたわ。

だって、話しの中身は全くないですしね。

聞いているだけで不快になるくらいなら、最初から聞かない方が良い、と判断しましたの。

ですが、そんな私を見て令嬢たちは何を思ったのか

「何よ!殿下の気を引くために、こんな訳のわからない本なんか読んじゃって!」

そう言うと、読んでいる途中の本を私から取り上げたではありませんか。

しかも、どこまで読んだのか栞も挟まず閉じたせいで、またあのページを探さないといけない、という面倒な.....。

これには流石に腹を立てた私は

「あっ!ちょ.......返してください!」

と言って、勝手に本を奪い取った令嬢に手を伸ばしましたわ。

ですが、私よりも明らかに令嬢の方が身長も高いですし、腕も長いので私の伸ばした手は見事に空振りをしてしまいましたわね。

こういう時、身長があった方が良いんですのよね。

はぁ....腹立たしいですわ!

思わずため息をついて、返してくれる気配のない本を諦め、再び椅子に座り直そうとすると、そんな私の椅子をわざわざ隠して

「貴方のような貧乏人が読書なんて生意気なのよ!」

と言ってくる令嬢がいて流石に呆れてしまいましたわ。

だって、貧乏人だからこそ本を読んでいますのよ?

それなのに、生意気なんて言われたら.......ねぇ?

そう思った私は、思わず苦笑しながら

「いやいや.......読書しているだけで生意気って.......」

と言ってしまいましたわよ。

だって、本当に意味がわからないんですもの。

すると、私の呟いた声が聞こえたんでしょうね。

生意気だ、と言ってきた令嬢は顔を真っ赤にさせて

「う、うるさいわね!」

と言って、隠れる様に他の令嬢たちの後ろに下がってしまいましたわ。

うーん.....これって、いわゆる論破した、というやつなんでしょうか?

いや、それとはまた違う.......言い負かしたというやつ?

なんて呑気に思っていると、最後のボスとでも言わんばかりに、手にさっき私から奪い取った本を持ったカリステラ様が

「いい?返してほしかったら殿下の近くには行かないこと。約束しなさい」

そう言って強気に私のことを睨みつけてきましたわね。

美人の睨み、というのはやっぱり迫力が違いますわ。

これほど美人なのに、殿下に嫌われている、ということは、やっぱりこのような性格の人だ、とバレてしまっているからなんでしょうね。

だとしたら、可哀そうな人ですわ。

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