婚約破棄された貧乏令嬢ですが、意外と有能なの知っていますか?~有能なので王子に求婚されちゃうかも!?~

榎夜

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12話

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無事にディアに着替えを手伝ってもらった私は、ひたすら内装のことを考えていましたが、いい案が思いつきませんわね。

だって、元々は建設してー....という感じではなく、元々ある店を改装して、という話だったはずですし、少し変更すれば大丈夫だろう、と思っていましたのよ。

ですが、一から作り始める、となれば話は別ですわよね。

カウンターの配置、商品の置き場、壁の色も、ですわ。

それに加えて、作業をすることも考えると綺麗に見える配置だけではなく、動きやすさも大事になってきますわね。

そう思いながら、とりあえずサラサラーと自分の希望を紙に書いてみました。

とりあえず、お会計をする為にカウンター......そして、棚は3列くらいの物で良いとして、それが.....一体何個必要なのか。

そもそも、外装がどのような感じか、なんて言われても、実物がないと想像が出来ませんわよね。

なんて思いながらも、なんとか必要になるであろう物や希望の壁の色、床のフローリングの色まで細かく想像してみましたわ。

すると......これをそのまま希望通りに作ったら、相当おかしなことになりそうですわね。

だって、棚に関してはこの量を置ける気がしません。

それに加えて、店の規模もわからない、となると......はぁ...頭が痛くなってしまいましたわ。

すると、そんな私を見たディアが

「ところで、何の店を開くつもりですか?お嬢様って何か詳しいことがありましたっけ?」

と質問してきましたわね。

何か詳しいことがあるのか、については少し失礼な気もしますが....まぁ、いいですわ。

なんでもハッキリと言ってくるのがディアの良いところですもの。

なんて思いながら、首を傾げているディアに

「まぁ、簡単に言うと薬草の店.....かな?」

苦笑しながらそう言うと、まさか薬草なんて言うとは思っても居なかったんでしょう。

キョトンとした顔で

「薬草、ですか?」

と呟いていますわね。

そもそも、この国には安価ではありませんが、しっかりと薬が売られていますし、薬草を使う人なんて珍しいくらいかもしれません。

ですが、薬草と言っても色んな種類がありますし、使い方によっては長生きできるものも沢山あるんですのよね。

ということをディアに伝えましたが、私の言葉に

「それって買いに来る人がいますかね?」

難しい顔をして、そう言ってきましたわ。

まぁ、これに関しては正直私も同じことを思っていますわよ。

今の時代に薬草を買いに来るような珍しい人なんていないと思いますもの。

ですが

「うーん......私もわからないけど、殿下がどうしても開きたい、って」

なぜか殿下は薬草が好き......といいますか、私が昔けがをした殿下にヨモギを使ったとき辺りから、妙に薬草について調べ始めましたのよね。

まぁ、その出来事のおかげで私は店を開くことになりそうなんですが。

今だからこそ言いますが、殿下にヨモギを使ったのは我が家に薬という高級なものが置いていなかったから、なんですのよね。

といっても、流石に本人には隠しておきましょう。

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