12 / 94
11話
しおりを挟む
殿下から内装の希望を書くように、と渡された紙を持って帰宅すると、私に気付いた父上が早速
「どうだったんだ?」
と聞いてきましたわね。
まぁ、気になるのも当然ですわ。
私自身、勝手に帰ったことに関しては怒られるつもりでいましたもの。
ですが実際は怒られるどころか、私の店まで作ってくれる、ということで......いやぁー.......殿下の懐の深さには感謝しかないですわよね。
なんて思いながら、王宮で殿下とした話について説明をすると、お父様は一部始終驚いた顔をして
「まさか殿下に店を用意してもらえるとは......」
と呟きましたわね。
これに関しては、てっきりお父様に話をしていたとばかり思っていましたわ。
なので、まさかそのような反応をするとは思ってもいなかったのでどう反応するのが正解なのかわからなくなってしまいましたわよ。
その後は、特別何かを話すこともない、ということで内装を考えようと部屋に戻ることになりましたわ。
お父様はまだ現実を受け止めきれないのか
「いや....でもなぁ?」
なんてブツブツと言っていたような気もしますが......気のせいだと思っておきましょう。
私が部屋に戻るとすぐに、部屋で待機してくれていた専属メイドの『ディア』が
「お嬢様?なんですか、その紙は......」
と興味深そうに手に持っていた紙を見ていましたわ。
まぁ、普段何かの紙を持ち歩くなんてことはないので、当然気になりますわよね。
なんて思いながら、別に隠しておくことでもないので、
「あぁ、実はお店を出すことになって、その内装を考えているの」
そう言って外装が書かれている紙をディアにも見せると
「へぇ......って、えぇ!?」
一瞬納得したように頷きましたが、すぐに大きな声を上げて驚きに変わりましたわね。
そりゃあ、急に店の内装がー...なんて言われて驚くのも仕方がありませんが、良い反応を見ることが出来たので、私としては凄く満足ですわ。
そう思いながら、もう一枚の紙を机の上に置くと、
「お、お嬢様?今、み、店とかいいました?み、店と言うのはあのお店のことですよね?屋根のある、あの.....」
モゴモゴとしながら、ディアはそう聞いてきましたわ。
屋根がある店って....ない店もあるので頷いて良いのかわかりませんが、きっとディアが想像しているものとj私が想像しているものは同じなので
「もう!それ以外に何があるのよ」
笑いながらそう言うと、ディアは急に私の肩をガシっと掴んで
「ちょっと待ってください。一体なんの店をやるつもりなんですか?もしかして、婚約破棄されて気がおかしく......」
物凄く心配そうな顔でそう言われてしまいましたわ。
これには
「ちょっと!そんな酷いことを言わないでくれるかしら!?」
と言って、ディアの手を振り払いましたが、もしかして私ってそんなに変な子なんでしょうか?
正直、キーン様に婚約破棄されたくらいで、頭がおかしくなることはありませんわよ。
まぁ、この様子だと殿下に頼まれていた、なんて言っても妄想話だ、なんて言われるんでしょうね。
そう思いながら、部屋着を用意しているディアを眺めましたわ。
「どうだったんだ?」
と聞いてきましたわね。
まぁ、気になるのも当然ですわ。
私自身、勝手に帰ったことに関しては怒られるつもりでいましたもの。
ですが実際は怒られるどころか、私の店まで作ってくれる、ということで......いやぁー.......殿下の懐の深さには感謝しかないですわよね。
なんて思いながら、王宮で殿下とした話について説明をすると、お父様は一部始終驚いた顔をして
「まさか殿下に店を用意してもらえるとは......」
と呟きましたわね。
これに関しては、てっきりお父様に話をしていたとばかり思っていましたわ。
なので、まさかそのような反応をするとは思ってもいなかったのでどう反応するのが正解なのかわからなくなってしまいましたわよ。
その後は、特別何かを話すこともない、ということで内装を考えようと部屋に戻ることになりましたわ。
お父様はまだ現実を受け止めきれないのか
「いや....でもなぁ?」
なんてブツブツと言っていたような気もしますが......気のせいだと思っておきましょう。
私が部屋に戻るとすぐに、部屋で待機してくれていた専属メイドの『ディア』が
「お嬢様?なんですか、その紙は......」
と興味深そうに手に持っていた紙を見ていましたわ。
まぁ、普段何かの紙を持ち歩くなんてことはないので、当然気になりますわよね。
なんて思いながら、別に隠しておくことでもないので、
「あぁ、実はお店を出すことになって、その内装を考えているの」
そう言って外装が書かれている紙をディアにも見せると
「へぇ......って、えぇ!?」
一瞬納得したように頷きましたが、すぐに大きな声を上げて驚きに変わりましたわね。
そりゃあ、急に店の内装がー...なんて言われて驚くのも仕方がありませんが、良い反応を見ることが出来たので、私としては凄く満足ですわ。
そう思いながら、もう一枚の紙を机の上に置くと、
「お、お嬢様?今、み、店とかいいました?み、店と言うのはあのお店のことですよね?屋根のある、あの.....」
モゴモゴとしながら、ディアはそう聞いてきましたわ。
屋根がある店って....ない店もあるので頷いて良いのかわかりませんが、きっとディアが想像しているものとj私が想像しているものは同じなので
「もう!それ以外に何があるのよ」
笑いながらそう言うと、ディアは急に私の肩をガシっと掴んで
「ちょっと待ってください。一体なんの店をやるつもりなんですか?もしかして、婚約破棄されて気がおかしく......」
物凄く心配そうな顔でそう言われてしまいましたわ。
これには
「ちょっと!そんな酷いことを言わないでくれるかしら!?」
と言って、ディアの手を振り払いましたが、もしかして私ってそんなに変な子なんでしょうか?
正直、キーン様に婚約破棄されたくらいで、頭がおかしくなることはありませんわよ。
まぁ、この様子だと殿下に頼まれていた、なんて言っても妄想話だ、なんて言われるんでしょうね。
そう思いながら、部屋着を用意しているディアを眺めましたわ。
5
お気に入りに追加
2,663
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された公爵令嬢は虐げられた国から出ていくことにしました~国から追い出されたのでよその国で竜騎士を目指します~
ヒンメル
ファンタジー
マグナス王国の公爵令嬢マチルダ・スチュアートは他国出身の母の容姿そっくりなためかこの国でうとまれ一人浮いた存在だった。
そんなマチルダが王家主催の夜会にて婚約者である王太子から婚約破棄を告げられ、国外退去を命じられる。
自分と同じ容姿を持つ者のいるであろう国に行けば、目立つこともなく、穏やかに暮らせるのではないかと思うのだった。
マチルダの母の祖国ドラガニアを目指す旅が今始まる――
※文章を書く練習をしています。誤字脱字や表現のおかしい所などがあったら優しく教えてやってください。
※第二章まで完結してます。現在、最終章について考え中です(第二章が考えていた話から離れてしまいました(^_^;))
書くスピードが亀より遅いので、お待たせしてすみませんm(__)m
※小説家になろう様にも投稿しています。
婚約破棄ですか? ありがとうございます
安奈
ファンタジー
サイラス・トートン公爵と婚約していた侯爵令嬢のアリッサ・メールバークは、突然、婚約破棄を言われてしまった。
「お前は天才なので、一緒に居ると私が霞んでしまう。お前とは今日限りで婚約破棄だ!」
「左様でございますか。残念ですが、仕方ありません……」
アリッサは彼の婚約破棄を受け入れるのだった。強制的ではあったが……。
その後、フリーになった彼女は何人もの貴族から求愛されることになる。元々、アリッサは非常にモテていたのだが、サイラスとの婚約が決まっていた為に周囲が遠慮していただけだった。
また、サイラス自体も彼女への愛を再認識して迫ってくるが……。
公爵家の家族ができました。〜記憶を失くした少女は新たな場所で幸せに過ごす〜
月
ファンタジー
記憶を失くしたフィーは、怪我をして国境沿いの森で倒れていたところをウィスタリア公爵に助けてもらい保護される。
けれど、公爵家の次女フィーリアの大切なワンピースを意図せず着てしまい、双子のアルヴァートとリティシアを傷付けてしまう。
ウィスタリア公爵夫妻には五人の子どもがいたが、次女のフィーリアは病気で亡くなってしまっていたのだ。
大切なワンピースを着てしまったこと、フィーリアの愛称フィーと公爵夫妻から呼ばれたことなどから双子との確執ができてしまった。
子どもたちに受け入れられないまま王都にある本邸へと戻ることになってしまったフィーに、そのこじれた関係のせいでとある出来事が起きてしまう。
素性もわからないフィーに優しくしてくれるウィスタリア公爵夫妻と、心を開き始めた子どもたちにどこか後ろめたい気持ちを抱いてしまう。
それは夢の中で見た、フィーと同じ輝くような金色の髪をした男の子のことが気になっていたからだった。
夢の中で見た、金色の花びらが舞う花畑。
ペンダントの金に彫刻された花と水色の魔石。
自分のことをフィーと呼んだ、夢の中の男の子。
フィーにとって、それらは記憶を取り戻す唯一の手がかりだった。
夢で会った、金色の髪をした男の子との関係。
新たに出会う、友人たち。
再会した、大切な人。
そして成長するにつれ周りで起き始めた不可解なこと。
フィーはどのように公爵家で過ごしていくのか。
★記憶を失くした代わりに前世を思い出した、ちょっとだけ感情豊かな少女が新たな家族の優しさに触れ、信頼できる友人に出会い、助け合い、そして忘れていた大切なものを取り戻そうとするお話です。
※前世の記憶がありますが、転生のお話ではありません。
※一話あたり二千文字前後となります。
こういうの「ざまぁ」って言うんですよね? ~婚約破棄されたら美人になりました~
茅野ガク
恋愛
家のために宝石商の息子と婚約をした伯爵令嬢シスカ。彼女は婚約者の長年の暴言で自分に自信が持てなくなっていた。
更には婚約者の裏切りにより、大勢の前で婚約破棄を告げられてしまう。
シスカが屈辱に耐えていると、宮廷医師ウィルドがその場からシスカを救ってくれた。
初対面のはずの彼はシスカにある提案をして――
人に素顔を見せることが怖くなっていたシスカが、ウィルドと共に自信と笑顔を取り戻していくお話です。
駆け落ちから四年後、元婚約者が戻ってきたんですが
影茸
恋愛
私、マルシアの婚約者である伯爵令息シャルルは、結婚を前にして駆け落ちした。
それも、見知らぬ平民の女性と。
その結果、伯爵家は大いに混乱し、私は婚約者を失ったことを悲しむまもなく、動き回ることになる。
そして四年後、ようやく伯爵家を前以上に栄えさせることに成功する。
……駆け落ちしたシャルルが、女性と共に現れたのはその時だった。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。気長に待っててください。月2くらいで更新したいとは思ってます。
無能と呼ばれ、婚約破棄されたのでこの国を出ていこうと思います
由香
恋愛
家族に無能と呼ばれ、しまいには妹に婚約者をとられ、婚約破棄された…
私はその時、決意した。
もう我慢できないので国を出ていこうと思います!
━━実は無能ではなく、国にとっては欠かせない存在だったノエル
ノエルを失った国はこれから一体どうなっていくのでしょう…
少し変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる